DeNA、減損損失の計上で大幅な営業赤字に--米国ngmocoののれんが影響

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は2月5日、2020年3月期第3四半期(2019年4~12月)の連結決算を発表した。売上収益は911億6200万円(前年同期比3.7%減)、営業利益は441億6100万円の赤字、純利益は501億7900万円の赤字となった。

 四半期ベースでは、売上収益は259億円(前四半期比23%減)、営業利益(IFRS)が492億円の赤字。季節変動の大きいスポーツ事業を除く売上収益は235億円(同7%減)、Non-GAAP営業利益は29億円の赤字(前四半期は3億円の赤字)としている。

ディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEOの守安功氏
決算説明会で登壇した、ディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEOの守安功氏

 大幅な営業赤字となったのは、減損損失を計上したことによるもの。主にゲーム事業にかかる資産を中心に、合計494億円の減損損失を計上したとする一方、一時的なものであり、キャッシュアウトがともわないため、財務基盤への影響はないとしている。

 同日に行われた決算説明会で、ディー・エヌ・エー代表取締役社長兼CEOの守安功氏が説明したところによると、減損損失のゲーム事業にかかるものとして401億円がのれん、80億円がソフトウェア関連とし、のれんについては2010年に買収した米国のngmocoに関わるものと説明した。なお、代表取締役会長の南場智子氏と守安氏ともに、役員報酬における月額の50%を3カ月間返上することを発表している。

減損損失の計上について
減損損失の計上について

 主力のゲーム事業は、売上収益が190億円(前年同期比4%減)、営業利益は20億円(同36%減)。ユーザーの消費額としては、第2四半期の390億から421億へと増加。第二四半期末に配信を開始した「マリオカートツアー」や、12月に中国で配信を開始した「スラムダンク」などが貢献したという。第4四半期では有力タイトルの多くが“周年”を迎えること、また、新規タイトルの立ち上げや年末年始の需要期にともなって増加したマーケティング費用など減少するため、売上や利益は第3四半期からの向上が見込めるという。

 今後については、もう一段階踏み込んだ固定費の筋肉質化や新規タイトルにおける開発管理プロセスの改善、タイトルごとの採算に応じた運営の最適化といった施策を通じて、ゲーム事業における収益基盤の再強化を図るとしている。

ゲーム事業について
ゲーム事業について

 スポーツ事業は、売上収益24億円(前年同期比101%増)、営業利益は18億円の赤字。第3四半期ではプロ野球はオフシーズンとなるが、クライマックスシリーズファーストステージをホームとして開催できたこともあり、前年同期と比較すると赤字幅は減少。累計で見ても順調に成長していると話した。

 新規事業領域においては、かねてからゲーム事業とスポーツ事業に次ぐ新しい柱を構築するべく投資を行っているなか、「成長に応じた規律ある投資」「柔軟な資本施策・最良の座組みの選択」「ファンドを通じたインキュベーション」の3つの方針を掲げ、事業ポートフォリオを再整理。引き続き挑戦を行っていくという。

新規事業領域について
新規事業領域について

 近年力を入れていた、オートモーティブ事業におけるタクシー配車アプリ「MOV」については、日本交通ホールディングス子会社のJapanTaxiが運営するタクシーアプリ「JapanTaxi」と事業統合することを、2月4日付けで発表した。

 守安氏はこの件に触れ、MOVについては順調にタクシー台数を増やすことができていたものの、競合環境が参入時と比較して厳しくなり、シェア争いにかかる投資額がかさんできたこと、またマネタイズ機能の提供に遅れが生じたことなど、収益面での見通しがまだ立てられない状況があったと、DeNA側における背景を説明。「いい組み合わせで、われわれも納得できる、今後の成長に向けた座組が組めた」と語った。

 そのほかの新規事業については、ライブコミュニケーションアプリ「Pococha」や、ヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」に期待を寄せているとし「Pocochaは、まだ赤字の状態であるものの売上のトップラインが順調に増えている、来期に向けても強めの成長が期待できる」と語った。

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