2022年上半期の買ってよかったモノまとめました(07/12)

噂の『DMCA悪用』によってブログ記事が検索結果から削除された話

さて、昨年の12月末に投稿したこちらの記事 icon-arrow-circle-down 

非公開: 【Hassyon・DWstyle等】中華系の詐欺通販サイトにご注意を

大家さん

やっちゃったぜ

この記事は、 我が愛しの大家さん( この人)が通販サイトを利用した際に、

詐欺まがいの被害にあった実例を紹介し、注意喚起を促す内容でした。

 

しかし、記事を投稿してから約3ヶ月後、google様からこんなメールが・・・

 

要約:『お前、著作権侵害してるらしいな。通報があったぞ。検索結果から消すからなハゲ。』

 

 

 
ΩΩΩ<な、なんだってー!?

 

今回は、このような事態に至った経緯についてまとめます。誰がハゲだ。
DMCA悪用は身近な問題
このDMCA問題は、WEBで情報発信をする全ての人に密接に関わる重要な問題です。特にSNSで頻繁に情報発信をされる方や、サイト運営をされる方はぜひご確認ください。

DMCA悪用問題とは

本題に入る前に、DMCAについての基本的な部分をちょっとだけ。

とてもシンプルにいうと、DMCAは「著作権を保護するためのアメリカの法律」であり、

googleやyahooなどの検索エンジン、Twitterのような各種SNSなどが、このDMCAに基づいたポリシーを策定し、ユーザーからの削除申請を受けつけています。

しかし近年、悪い人たちがこのDMCAを悪用し始め、大きな問題になっています。

悪評や都合の悪い情報を隠蔽するために、虚偽のDMCA申告が行われる事例が発生し始めたのです。

以前、『艦これTwitterアカウントの凍結騒動』や、『ウォンテッドリー社による隠蔽騒動』などがネット上で大きな話題になっていたため、僕も『DMCA悪用問題』についてはなんとなく認識していました。

しかし、あくまで大きな損益が関わる場面での企業間の問題であると思い込み、自分が直接関わるような身近な問題であるという意識は持てていませんでした。

 

ぶっちゃけ狙われてる感はあった

そういえば、例の記事を書いてからというもの、

SNSや運営サイト宛てにスパムなどの嫌がらせがきたり、

 icon-arrow-circle-up 『保存したぞ。3日以内に記事消せ』的なこわーいメールが届いたりしていました。

ただ、いつも不慣れな日本語で一生懸命書いてくるので、ちょっとかわいいのです。

 

今回のDMCA申請について

ビックリするほど雑な手口

さて、google様から届いたメール内に、

 icon-arrow-circle-down 今回のDMCA申請のURLが記載されていたので、さっそく確認してみます。

参考 問題のDMCA申請(notices/16111752)lumendatabase.org

 

英語のデータベースなので分かりにくいのですが、

つまり、僕のこの記事に記載されている、

今回の経緯 ◆根拠1,残念すぎる発送メール ◆根拠2,そもそも日本の服じゃない ◆根拠3,レビューが面白すぎる ◆根拠4、特定商取引法表記が適当すぎる から ◆どうか通報をお願いします ◆大手通販サイト以外から購入するリスク  こういったアドセンス広告は、個人の趣味・嗜好によって広告内容が変化するタイプであり、仮に違反サイトであっても広告表示される場合があります。私見ですが、韓流関係のサイトへ普段アクセスする方に、この系列の詐欺サイトの広告が表示されやすい傾向があるように思います。

 icon-arrow-circle-up の部分(計234文字)が、 いやソコほとんど目次じゃn

 

通報者Tさん(自称)のブログ記事の内容と全く同じであり、

Tさんの記事は6年も前に書かれているので、僕の記事はパクリだ。という通報のようです。

なるほど話の筋は通っていますね。

とりあえず、この自称Tさんの記事を確認してみることに。

 

するとそこには、

 icon-arrow-circle-down ただ僕の記事のもくじ部分と序文をコピーしただけのシュールな記事がありました。

 

 

・・・・

・・・・・

 

 

記事の大部分を目次が占めるという大胆な構成に狂気を感じます。

てっきり、WebArchiveあたりを偽装してくるかなどと想像していたので、

このような、コピペ&投稿日時変更という単純な方法は予想外でした。

 

ブログ全体に目を通してみても、短時間で作られたであろうハリボテな内容。

おそらく、通報のためだけに作ったか、あるいは一般の放置ブログを乗っ取って改変したのでしょう。

 

『投稿日時』をイジればなんでも通る説

さて、この自称Tさんのブログは、

yaplog!』というブログサービスで開設されていたのですが、

皆様お察しの通り、『yaplog!』では投稿日時を自由に変更することが可能です。

icon-arrow-circle-up 試してみたら、1990年代付けでも投稿できました。)

 

特にブログ運営者の方はよくご存知でしょうが、このyaplogに限らず、

ブログの『投稿日時』は、くのブログサービスにおいて変更が可能な項目であり、

ブログにおけるタイムスタンプは決して“実際の投稿日”を証明できるものではありません。

 

しかしこのお粗末な手法、どうやらDMCA悪用の世界においては常套手段のようなのです。

 

つまり、都合の悪い記事を見つけたら、

STEP.1
適当にブログを作る

投稿日時が変更可能なブログサービスをチョイス!

STEP.2
コピペして記事作成 & 投稿日時を変更!
 

オリジナル記事よりも過去に日付を設定!

STEP.3
「こいつパクリです」とDMCA申請!
 

STEP.4
☆削除完了☆

\ヤッタネ/

 

と、こんなに簡単な作業で検索結果から除外する事ができちゃうわけです。なにこれ怖い。

 

現状ではこの手法、主に損益に関わるケースでの悪評隠しや逆SEOなどに悪用されているようですが、

いずれ個人間のトラブルや私怨、嫉妬といった程度の動機で、ブログ記事やWEBサイトなどがホイホイ潰されるようになる気がしてなりません。

やはりこの問題、ブロガー目線で考えても怖すぎます。誰か助けて。

 

 

他のブログの記事もやられていた

先程の、DMCA侵害報告のデータベース(Lumen)には検索機能がついていたので、

試しに『hassyon』などの「例の同系列ショッピングサイト群」の名前で検索をかけてみると、

案の定、同じ手法を利用した報告が複数見つかりました。

 

 

この隠蔽の動きは『googleの検索結果』からも見てとれます。

例えばgoogleで「hassyon」と検索してみると、 icon-arrow-circle-up このように大量の検索結果がDMCA報告によって除外されていることが表示されます。まさに大暴れです。

 

 

調べてみると、「hassyon」のこの異常な動きについては、

SEOコンサルタントで「DMCA悪用問題」について情報発信をしてくださっている辻正浩さんもTwitterで言及されていました。

 

DMCA申請を悪用しているワルモノの中でも、ここまでやりたい放題なケースは珍しいようです。

 

 

異議申し立てはしたが・・・

google様からのメールによると、

文句があるんだったら異議を申し立てろ。聞いてやるかは分かんねぇけどな!

との事だったので、すぐに申し立てを行いました。

 

珍しく真面目モードになって、英語で丁寧に異議申し立てを行いましたが、

3ヶ月近くが経過した現在でも、なにひとつ音沙汰はありません。こんなのってひどいわ。

まぁ、googleさんも忙しいでしょうから、もう少し待ってみようと思います。我ながらいい女です。

 

ご報告【2018年6月9日追記】
この記事を投稿してから5日後の本日、google様からご連絡があり、上記のDMCA申請に対する異議申し立てが受理される事になりました。これが特例の措置であるかは分かりません。

記事の検索除外解除はさておき、こういった案件における『消せば増える』一例を作りあげていただいた事、そして多くの購入被害を未然に防ぐ可能性を作れた事については本当に嬉しく思います。

本案件を問題として取り上げてくださった、専門家・ジャーナリスト・メディアの皆様、拡散にご協力いただいたすべての皆様、本当にありがとうございました。

参考 悪評の多い香港の通販サイト、DMCA悪用で悪評潰し -スラドEXCITEニュース

DMCA申請悪用の現状と対策

検索エンジンやSNSが対応できない理由

当初は、『申し立てを1件ずつしっかり精査すればいいじゃない!』と思っていたのですが、

調べてみると、それは難しい話である事が分かりました。

DMCAを含めた著作権侵害の申請は、私達の想像以上に膨大な数が毎日寄せられており、プロバイダや検索エンジン、SNSなどを運営している各社はいずれも巨大なグローバル企業であるとはいえ、個別に調査・対応することはまず不可能なのです。

そのため多くのサービスが、

  1. DMCA申請が届いたら、とりあえず受理
  2. 異議申し立てが来たら、可能な範囲で対応

という体制をとっているのだと思われます。

正しいDMCA申請に迅速に対応するためには、現状これが最善なのかもしれません。

 

被害にあったら大騒ぎしよう!

現段階では、この「DMCA悪用問題」に対して著作権者・情報発信者はほぼ無力です。

もし、自身が悪意の対象になってしまった場合には、泣き寝入りをせず『異議申し立て』を行いましょう。

そして、その後は僕のように、Twittterでギャーギャーわめきちらしたり、こういった記事を書いたりと、ドンチャン騒ぎをしてこの理不尽な現状拡散するのです。

ネットでは『消せば増えるんだ』ということを、悪い奴らに思いしらせるのです!!ついでに気持ちも晴れるので一石二鳥なのです。

僕のような弱小ブロガーにできる事はその程度ですが、この問題が少しでも改善されていくように、今後も監視と拡散の意識を持っていこうと思います。

情報発信者や著作権利者のみなさん、マジで気をつけてくださいね。

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