食通の文豪をも魅了した老舗の味に驚嘆!「嘉賓」のカキソース和えソバはもはや具なんていらない究極の麺料理だ

嘉賓(東京都新宿区四谷1-7 第三鹿倉ビル2F)は40年以上にわたり、愛され続けている老舗中華料理店です。様々なメニューの中でも、小説家の開高健も愛したという「カキソース和えソバ」は、具材の少ないシンプルな見た目でありながらも「食べたらまた食べたくなる」という依存性のある味だそうです。他にも、お粥や水餃子、タマネギをたっぷり使ったカレーなど魅力的なメニューが盛りだくさん。何回も通って、「全メニュー制覇」に挑戦したくなるようなお店です。(四ツ谷/四谷のグルメ中華

食通の文豪をも魅了した老舗の味に驚嘆!「嘉賓」のカキソース和えソバはもはや具なんていらない究極の麺料理だ

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みなさんは、この写真を見た瞬間、「具は?」「つけ麺の麺だけ?」と思うことでしょう。

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実はこの麺、これが完成形です。具がないのです。

 

厳密に言うと、ネギとショウガのみじん切りが申し訳程度に入っています。

 

それなのにこの麺、「食べたらまた食べたくなる。少し食べないと中毒症状が起きる」という人が続出する、とんでもない依存性をもつ麺なのです。

 

開高健や中尾彬など多くの文化人・著名人も魅了されてきました。

 

この麺を提供しているお店の名は「嘉賓」。四ツ谷、御茶ノ水、渋谷などにあります。

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こちらの四ツ谷が本店です。

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主人の中野翔さんは日本に帰化された広東出身の方で、中野さんの母親が1976年にこの店を始めたそう。当時から「広東で朝食や夜食に食べていた家庭の味をぜひ日本人にも」と提供したのが、この麺「カキソース和えソバ」なんです。

 

40年間ファンに愛され続ける「カキソース和えソバ」

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その名の通り細麺にオイスターソースを和えただけの超絶シンプルな料理です。

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写真はランチセットなので麺の量が少なめですが、単品(824円)はもう少し量があります。

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初めて会社の先輩にここの麺を食べに連れてきてもらった時は、出てきた料理を見て「頼むんじゃなかった……」と心底後悔したものです。

 

なのに店内のほとんどのお客さんがこれを食べている。先輩も「月に1回は食べないとね〜」などと言っている。この人たち、ちょっとおかしいんじゃないか?とまで疑ったものです。

 

しかしこの麺のポテンシャルの高さには心底驚かされます。

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細麺には独特のコシがあり、硬すぎず柔らかすぎず、これぞベストの食感。頬張った瞬間にオイスターソースの香りが口中と鼻腔を覆い尽くします。

 

油で炒めずに和えているのでベタベタせず、麺一本一本を均等にソースがコーティングし、味も濃すぎず薄すぎず。まさにすべてが「ちょうどいい」のです。

 

麺は乾麺を使用。「生麺だとかんすいが多くさらっとした口当たりにならない」のだとか。細さを指定して特注しているそうです。

 

でも麺がいくら特注でもここまでハマる理由は他にあるのでは……。もしやオイスターソースが自家製!? と鼻息荒く尋ねてみましたら、「普通のオイスターソースです」と中野さん。

 

しかし、料理人はこの道40年のベテランで、その作り方に秘訣があったんです!

 

まずはネギとショウガを鍋で炒めて香りを出す。そこへ水でもどして少し焼いた(ここが肝心)麺を入れ、オイスターソースと醤油を少々加え、軽く炒めて完成。

 

簡単そうに聞こえますが、この「香りを出す」タイミングが重要なんです。同じ食材を使っても真似できないですね。

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食べ始めると、これは、「麺を食べる」料理なのだと気が付きます。もはや具なんていらないのです。

 

ワシワシと食べ進めると皿がすぐ空になってしまうので、少し休憩。

 

おっと。卓上には自家製ラー油と酢があります。

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ちょっとした出来心から「味変」を試みようと思います。

 

ラー油をかけてみました。

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ラー油をかけると、魚介エキスがたっぷりときいた、まろやかな辛みが加わり、和えソバがピリ辛になってより味わい深くなりました。

 

酢もいってみます。

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中華料理って酢をかけても酸っぱくならないのが不思議ですよね。この麺も酢によってさっぱりした後味になりました。

 

でも結論から言うと、

そのままが一番おいしい!

「飽きる」とかこの麺にあり得ないんです。

 

ところで、昼は週替わりのセットメニューがあり、カキソース和えソバにお粥が付いています。

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お粥の肉は週替わりで、取材時は牛肉でした。

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私はお粥に興味のない人間なのですが、このお粥には「やられた!」と思いました。

お粥=味がないという概念を覆す、ほど良い塩気としっかりとダシがきいたご飯。ぷりっとした牛肉の塊が入っています。

 

嘉賓はお粥も旨かったのか……。

 

「ここは水餃子も旨いよ」というタレコミも実証

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嘉賓の上級者の間では、和えソバ以外にもアレが旨い、コレが旨いと囁かれるメニューがいくつかあります。

 

その一つが水餃子。

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「茹でギョーザ」とも書かれていますが同じものです。単品にもセットにもできます。

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皮がとにかく分厚い!ブリッとしています。この皮も特注だそうです。

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具は挽き肉、ニラ、干しシイタケとシンプルですが、モチモチの皮の食感とジューシーな具の食べ応えがたまりません。

 

冷めても硬くならず、みずみずしさが保たれています。 

 

和えソバより私はカレーが好きかも

カレーかよ!とあなどってはいけません。

嘉賓を語る中で、「実はカレーが好き」という人がいたら、それは間違いなく相当な上級者です。

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ランチメニューの1つである「鶏肉のカレーライス」(721円)。

 

これカレー!? というビジュアルですね。タマネギと鶏肉だけのこれまたシンプルなカレーです。

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何がすごいって、このカレー、

「一切寝かさない」

というのが信条なのだそうです。

 

中野さん曰く「よく“1日置くと美味しい”とか言いますが、作りたてが一番。具の食感もあって、香りが逃げないでしょ」。

 

そうなんです。このカレー、タマネギがめちゃめちゃ入っていますが、作りたてですぐに提供されるので、シャキシャキの食感が存分に楽しめるのです。

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私はこのカレーを「東京で一番タマネギを美味しく食べられるカレー」だと思っています。「トロトロに煮込んでやわらかくなった…」なんてここでは何のアドバンテージでもありません。

 

鶏肉もゴロゴロ入ってます。

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ルウはさらっとしつつあんかけに近いとろみ。スッキリしたスパイス感で、家庭の味を思わせますが、鶏ガラスープが入っているので味に奥行きがあります。

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しかし凄いタマネギの量ですね!

シャキシャキの食感とフレッシュ感に、スプーンが止まりません。

 

残念ながらこのカレー、ランチの週替わりメニューの一つで、「1か月に1週間だけ、しかもいつ出るかわからない」という幻のメニューなのです!

 

「電話して聞かれても、いつやるかはすぐに答えられない」と中野さん。

激レアメニューですね。でも週替わりメニューのサイクルを把握しておけば、大体の時期は予想できそうなのでぜひトライしてみてください。

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カレーも和えソバもぺろっといけました。

むしろ和えソバ、あと5皿ぐらい食べたいです。

カレーは毎日でも食べられそうです。

 

なぜこの店がみんなに愛されるか分かりました。

「シンプルなものを美味しく作る」という、簡単そうで実は難しいことを

どの料理にも貫き通しているんですね。


土日祝は全品2割引きだと!?

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カキソース和えソバも約660円になるってことですよ!カレーも約580円になります。

和えソバとカレーと水餃子を全部頼んでも2000円ぐらいってことです。

 

毎週行って全メニュー制覇してみようと思います。

夏は冷やし中華がオススメとか。

こうして嘉賓のループにはまっていくのです……。

 

紹介したお店

嘉賓
〒160-0002 東京都新宿区四谷1-7 第三鹿倉ビル2F
4,000円(平均)800円(ランチ平均)

 

プロフィール

猫田しげる

デカ盛りと食べ放題を求めて津々浦々。おいしいものもおいしくないものも大好きです。

 

猫田しげるの以前の記事はこちら

r.gnavi.co.jp

 

                             
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