Qoo10とeBay、この1年でどう変わった?日本と世界のECがダイナミックに変化する

ECのミカタ編集部 [PR]

左:eBayJapan合同会社 Qoo10事業開発 室長 遠藤真也氏
右:イーベイ・ジャパン株式会社 ビジネス開発部部長 岡田朋子氏

Qoo10がeBayの傘下に入ったのは2018年5月。それから早1年が経った。日本国内で展開されている国内4位の総合モール「Qoo10」と、190ヶ国に展開する世界最大級のマーケットプレイス「eBay(イーベイ)」。まったく性質の異なる2つの企業がひとつになり、社内ではどんな変革が起きたのか。日本ECの構図を変えようとしているeBay Japan合同会社Qoo10事業開発 室長 遠藤真也氏と、越境ECを担当するイーベイ・ジャパン株式会社ビジネス開発部部長 岡田朋子氏にお話を伺った。

新生Qoo10とeBayに起きた変化

新生Qoo10とeBayに起きた変化

——2つの会社がひとつになったことで社内の雰囲気にはどんな変化がありましたか

遠藤氏(以下、遠藤)   以前は「目の前のことをしっかりやろう」だったのが、今は自分の裁量でどんどん横幅を広げながら事業を拡大していける充実感があります。企業の成長はもちろん、自己成長していると感じている人がすごく多いと思います。

岡田氏(以下、岡田)eBayは世界49カ国に支社があるけれど、日本はその中ではすごく小さい部隊でした。それがQoo10と一緒になり、一気に数百人規模になった。それによって日本に合わせた社内インフラが急速に整いつつあり、非常に働きやすい環境になっています。

eBayは外資系ですが、各種事業判断が基本的にはローカル。国内の裁量が大きいので、大きい組織でありつつもスピーディーに事業最適な決断をして走れるというのが最大の魅力だと思います。

——セラー様からの反応に変化はありましたか

遠藤   eBayグループになったことで、入店したいという問い合わせが増えています。今までQoo10はベンチャー企業としてやってきましたが、資本力が変わり、セラー様からの見る目も変わり、信頼や可能性への期待をヒシヒシと感じています。

岡田  Qoo10を知らないeBayのセラー様もいますし、逆にQoo10のセラー様でeBayを知らない・越境ECに興味がないというケースも多々あります。お互いに積極的に紹介し合い、まだネームバリューが足りないところを補い合う関係になれていると思います。

セラー様にとってより良い環境の整備を進める両モール

——Qoo10とeBay、それぞれの特徴について改めて教えてください

遠藤   Qoo10は国内のお客様に向けて展開するプラットフォームで、客層は女性が75%以上、20〜30代の若いF1層が中心です。ファッションやビューティー・コスメの割合が高いですが、最近は新規のお客様の急増に伴いニーズが多様化し、それに対して商品の供給が追いついていない状況です。

Qoo10はこれまで「コスパモール」「ファストファッションモール」というイメージを打ち出してきましたが、実際には高価格帯のブランド商品や家電も数字が伸びています。

岡田   eBayは日本企業の越境EC支援事業をしていて、今年で10年目。越境ECのプレイヤーとしては日本で一番古いプレイヤーの1社です。扱う商品の6割はリユース商品。日本のリユース市場は約3兆円と言われていますが、今後、国内の購入層は減っていく。リユース商品を扱うeBayでの越境ECは、まだまだ伸びていくと思います。

ebayサイトイメージ図

——Qoo10モールは他社とどう違うのでしょうか

遠藤   オープン・マーケットプレイスで個人も大手も平等に出店登録できるモールなので、どんどんチャレンジしてほしいです。まだ入店されていないセラー様に寄り添い、ローンチマップや事業計画をお互いしっかり話し合いながら計画できる体制を整えています。時間はかかりますが、中長期的に売り上げにつながるようシュミレーションをしていきます。

他のモールとは価格帯やラインナップを変えて活用していただいているセラー様も増えていて、Qoo10の客層を取り込む見せ方のご提案もさせていただいています。

Qoo10サイトイメージ図

——セラー様とモールが密な人間関係でつながれるのですね

遠藤  Qoo10では商品企画から営業マンとコミュニケーションを取りなが進めていけるので、人間味のある関係性を構築できます。広告を使って売り上げを上げていく手法に頼るのではなく、大きなセラー様だけに偏った施策をすることは殆どありません。

アライアンスを組んだ上で、特性を活かした新しいビジネスの構築ができるようにもなっています。様々な企業との繋がりで新しいビジネスをQoo10とどう展開できるか、効果的なプロモーションチャンネルや提携サイトなどをどう増やしていけるかというのが今の課題です。

お客様やセラー様が増えているので、インフラも含めどう整備していくか、その課題を改善・解決するために、今、急ピッチで進めています。

岡田   eBayのビジネス開発部でも、法人のセラー様にとってより始めやすい環境の整備に努めています。セラー様は事業規模や扱う商品カテゴリーも売りたい国もバラバラ。越境ECへの投資意欲や事業戦略の中での位置付けもバラバラです。

それらをすべてお聞きした上で、最適な出店方法と直近1年の事業ロードマップ、オペレーション設計をコンサルティングさせていただき、初動1年まで並走させていただいています。もちろん、環境改善のためのパートナーシップやアライアンス業務も欠かせません。

国内海外問わずに販売できる場の提供を。両社の強みを活かした販売支援

——経産省が発表した2018年の越境ECの市場規模は72兆円。2020年には100兆円を超えると言われていますが、どう感じられていますか

岡田   今まで越境EC市場は新しいマーケットなのであまり法律が整っていませんでしたが、最近は各国の法整備が追いついてきました。例えばEUでは、関税徴収における下限価格の撤廃や、海外から圏内に物を販売する場合、顧客サポート体制に関する規定の整備を進めていたり、中国は国際郵便に関する関税の取り扱いが強化されたり、越境ECを取り巻く環境はめまぐるしく変化しております。それらをクリアしながら、どう今まで通りの売りやすい環境をご提供していくかというのが課題です。

また、ECがより便利になり、アメリカでは注文したら数時間以内に商品が届きます。現地のお客様に対して、どれだけスピーディーに商品をお届けするかというのは非常に大きなチャレンジです。

eBayにおける日本からの販売先のトップ5ヵ国は毎年入れ替わっていて、それはまだまだ市場が成熟していないからであり、それくらい伸びしろがあるということです。

国によって売れ筋も全然違うし、“刀のつばだけ”とか“酒屋さんの前掛け”とか、「これが売れるの?」というものが売れています。何が売れるのかわからないので、まずはさまざまなカテゴリーのセラー様に試していただきたいです。

——今後Qoo 10とeBayにはどんなシナジーが期待できますか

遠藤   セラー様からは「Qoo10を使って海外へ販売できるの?」というお問い合わせを多く寄せられています。今後、アメリカやヨーロッパなどのeBayのプラットフォームにQoo10がどうリーチできるかというところは、岡田さんの部署と連携が必須になっていく点でしょう。

岡田   日本のカルチャーに紐づいた商品、F1層で人気がある商品はアジアでも人気になりやすい。それにアメリカの人口のボリュームゾーンは10〜20代の若い子たち。アメリカ市場においては、この若い世代の顧客獲得戦略は事業成長において重要な主軸の一つととらえている企業も多いです。Qoo10のユーザー層とアメリカにおけるeBayのユーザー層のターゲットはシンクしているので、両社で協働してアプローチできる領域だと考えています。

変わり続けるEC市場の中でeBayの未来とは

変わり続けるEC市場の中でeBayの未来とは

——海外・国内それぞれのEC市場では今後どんな進化が起こるのでしょうか

岡田   越境ECには色々な障壁があり、言語や税金、ユーザーとのトラブル対応など、難しそうなイメージがあります。まずは言語の障壁を取り除くためにソリューションを準備しています。国内ECと同様に運用できるよう、できる限り簡単にできるように環境を改善していきます。

遠藤   Qoo10はモールランキングでは上位にランキングされる規模にまで成長しています。上位モールに、最短でリーチしていくかというところだけに今は集中しています。

ECコンサルや3PLの企業からの企業からもアライアンスを組みたいという問い合わせが増えているので、活発に情報交換し、用意できる情報は積極的に提供させていただいているところです。

岡田   ECが普及している国では、ECユーザーの3〜5割は越境ECを利用しています。しかし日本はそうではないので、日本国内事業者がECを始める時に国内モールしか現状想起されていません。まずはその選択肢の中の1つに当たり前に入る存在になりたいですね。

eBayのセラー様からは、「日本より高く売れる」「日本で売れない物が売れる」という声をいただいています。越境ECはまだ比較的ブルーオーシャンであるからこそ、しっかりやれば利益を取りやすいビジネス。必ずキャッシュフローに貢献できるチャネルなので、まずは始めていただきたいです。

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