ペイパルが第1四半期の業績を発表。eBayとの関係は数字に影響したのか?

ECのミカタ編集部

 ペイパルが第1四半期(2018年1⽉1⽇〜3⽉31⽇)の業績を発表している。eBayが2021年を目処に、デフォルトの決済手段をAdyenに切り替えると発表したことは影響があったのか。見ていきたい。

 第1四半期では、収益は前年同期比24%増(FX ニュートラル:22%)の36.9億ドルを達成。アクティブアカウント数(年に1回以上利⽤するユーザーの数)は当四半期に810万件の増加を見せた。その結果合計決済件数は前年同期比25%増の22億件に上昇し、取扱⾼の総合計は32%増(FX ニュートラル:27%)の1,324億ドルとなった。また、2,360万株の自社株式を買戻し、18.3億ドルの株主還元を行っている。

 当四半期における総取扱⾼1,324億ドルのうち、マーチャントサービスはFXニュートラルで30%成⻑し、当四半期の取扱⾼全体の87%を占めている。eBayにおける取扱高はFXニュートラルで前年同期比6%の成長。

 また、個人間(P2P)取扱高も50%成長し、当四半期の総取扱高の約23%を占める約300億ドルになっている。米国におけるペイパルのソーシャルペイメントプラットフォームであるVenmoは、当四半期の取扱高が前年同期比80%増の123億ドルと大きく成長し、過去12ヶ月の取扱高は合計で400億ドルを達成した。

 モバイル端末経由の取扱高は、前年同期比約52%増の約490億ドルに達している。また、当四半期終了時点で、860万以上のマーチャントがワンタッチを提供し、9,200万以上のユーザーが利用したという。

ebayの影響もさほど受けず、成長を続けるペイパル

 ebayから離れたとしても、しっかりと売上を立てることに成功しているという印象がある。特にVenmoが好調だ。Venmoは米国の若者の間で流行しているP2Pペイメント(個人間送金サービス)で、送金だけでなく割り勘などの使い勝手も良い。

 モバイルからの利用増加もペイパルには追い風だ。eBayが2021年を目処に、デフォルトの決済手段をAdyenに切り替えると発表したことは記憶に新しいが、今のところペイパルの成長を止める原因にはなっていない。むしろ動きやすくなったペイパルが成長を加速させている印象もある。

 日本国内ではインバウンド需要に一役買っているペイパル。ますますその実力を発揮していくのか。しっかりと動向を追っていきたい。


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