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今後も成長しそうな“オタク市場”は? 矢野経済研究所が調査

» 2019年11月25日 19時24分 公開
[ITmedia]

 オタク市場のうち、アニメ市場とアイドル市場は好調に推移している――矢野経済研究所は11月25日、こんな調査結果を発表した。同社は、関係者への取材やWebアンケートで2018年度の“オタク市場”を調査し、分野別の市場規模などを算出。両市場は19年度も成長する見込みという。一方、コスプレ市場やフィギュア市場は縮小傾向にあることが分かった。

「オタク」主要分野別市場規模推移(矢野経済研究所より)

 この調査でのオタク市場とは、「一定数のコアユーザーを有するとみられ、『オタクの聖地』である秋葉原などで扱われることが比較的多いコンテンツや物販、サービス」などを指す。

 18年度のアニメ市場の規模は、前年度比8.2%増の2900億円(制作事業者の売上高ベース)。アイドル市場の規模は同11.6%増の2400億円(ユーザーの消費金額ベース)だった。

 19年度のアニメ市場の規模は同6.9%増の3100億円、アイドル市場の規模は同6.3%増の2550億円に拡大する見込み。アイドル市場はジャニーズやAKB48グループなどがけん引しているが、人気グループの解散が予定されていることなどもあり、同社は「アイドル市場の成長率は鈍化するのでは」とみている。一方で、コスプレ市場は同1.4%減の350億円、フィギュア市場は同1.6%減の305億円と縮小傾向にあるという。

 同社は、19年4〜6月期に劇場公開された主要アニメ作品を独自の解析手法「Xビジネスエンジン」で分析。同社が保有する産業別市場規模データと、独自開発した「リサーチAI」を基に、商品、サービスなどへの評価や、ネットユーザーの反響、拡散状況などを作品ごとに可視化した。

劇場公開された主要アニメ作品を比較

 分析結果によると、「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」(うた☆プリ)、「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」の2作品は、ユーザーから特に積極的に支持されている傾向がみられたという。

 うた☆プリは、ネットユーザーがいかに自主的に検索し、情報発信したかを指数化した「魅力度」で、12作品中トップに。「メディア露出も多いことが推測されるが、それだけに依存しないパワーがうかがえる」(同社)としている。

 調査期間は19年7月〜9月。オタク市場に関わるコンテンツや物販、サービス事業者、業界団体などを対象に、ヒアリングやWebアンケートを実施した。

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