アシカ「うるせえ、タコぶつけんぞ」はなぜ起こったのか※英語記事日本語解釈
数日前にめちゃくちゃバズっていた「アシカがタコを投げつける動画」
この動画について詳細を書いた英語の記事があがっていました。
友人の「この記事の和訳ないかなあ」という発言を見て、「サクッと意味を伝えられる程度にはできないかなあ」と取り掛かってみたら、ちょっとだけアシカに詳しくなりました。
破線以下、黒字が元記事の意訳、ピンク字がわたしが可能な範囲で調べた内容とわたしの疲弊の様子を記録したものです。
生暖かい気持ちで読んでやってください。
※なお、本ブログ記事はあくまでも個人の趣味の範疇での解釈に留まり、原文記事の忠実な和訳ではございません。
また記事権利元の方の要請等に基づき予告無く削除する可能性がございます。
ーーーーーーー
タコ武装アシカはなぜカヤック乗りを”タコ殴り”したのか
(Why Did An Octopus-Wielding Sea Lion Slap A Kayaker In The Face?)
September 28, 2018 1:35 PM ET
アシカがタコでカヤック乗りを引っぱたく、そんなまさかの映像がめっちゃバズった。超バズった。
ニュージーランドの南島沿岸で起こった、野獣と男性との闘い。
その日、タイヨウ・マスダ氏、カイル・ミュリンダー氏とその友人たちは、カイコウラの海岸からカヤックで出発しようとしていた。
マスダ氏のカメラが、海面のすぐ下をスイスイと泳ぐアシカを追っていたところ、ミュリンダー氏から60cmほどの位置から突然アシカが飛び出し、タコをぶん投げてきた。
マスダ氏が「ウワァ!」と叫ぶと同時に、ミュリンダー氏は頭を振り、バッと振り返って水中を覗いた。
「誰が一番びっくりしたかわからない、”オットセイ”?タコ?自分??」(Instagramでのミュリンダー氏のコメント)
>このあたりで着手したことを早くも後悔しました。オットセイとかアシカとか急にいろいろ言われてもうめっちゃ困った。日本語でさえどれがどれかわからないのに。
…いやでも、アシカほんとどうしたんだ。
>ここニュージーランド特有の言い回しが出てきてめっちゃググりました。
原文は”But what exactly was the sea lion up to?”。
この言い方は、ニュージーランドでの気軽な挨拶で使いがち、とのこと。
気軽にアシカのきもちを考えたいときには是非使っていきましょう。
参照:"What are you up to?" ってどんな意味?なんて答える?
この決定的瞬間のアシカの気持ちを探るため、我々はアシカのプロを訪ねた。
>我々がアマゾンに向かう感じか…
カリフォルニア大学サンタクルーズ海洋科学研究所の主任研究員であり研究者でもあるColleen Reichmuth氏と、ニューカレッジオブフロリダで動物の認知について研究している心理学助教授Peter Cook氏(しかもアシカ経験あり)である。
>つまりマジのすごい方とマジのすごい方に聞きにいった様子。しかもアシカ経験あり。アシカのきもちスペシャリスト。
まず最初に、彼らは「話題の動画に写っているのはオットセイでなく、間違いなくアシカである」と明確にしたかった。
>この文章序盤でほしかったー!この文脈早く知りたかったよねー!
Cook氏曰く、このめちゃくちゃバズった生き物さまは、ニュージーランドに生息するアシカだろうと思われるが、このビデオだけでは完全には言い切れないらしい。
>すっごくどうでもいい話題なんですが、この原文を直訳するとアシカのことを「このショーのスターは」と言っていて、「これこれ~!このTHE☆英語のジョークみたいな言い回し~~~!」となりました。
アシカとオットセイは、どちらも”アシカ科(Otariidae)”に属し、時には「耳つきアザラシ(eared seals)」と呼ばれる。
アザラシとは異なり、アシカ科の彼らには「(目で見てわかるところに)耳たぶ」と「大きな前ひれ」がある。陸上でも活動的に動くためだ。
>「アザラシとは異なり、」ってサクッと言われても知らんやん。
どうやら、我々が「なんかああいう感じのかわいい大きいたまに強そうなやつ」と思っているものは、大きく【アシカ科】【アザラシ科】【セイウチ科】に分けられるそうです。このあたりで海獣にちょっと詳しくなってきました。
鳥羽水族館さまのツイートが今なら真の意味で理解できます、ありがとうございます。
Cook氏曰く、アシカ科はアザラシよりも活動範囲が広く、カニ・イカ・タコなど色んなものを食べ、「物を持つ/握る」ことが可能だそうだ。
>やっと出てきたタコ!!!!!!!!
またアシカは、予想だにし得ない方法で獲物を食べることがある。
Cook氏は、「よく理解できない方法で食事を取ろうとする(複雑な摂食行動を彼らにもたらす)のは”遊びの傾向”かもしれません」と言った。
アシカは、独り立ちを迎える前に母親と一緒に9ヶ月~2年を過ごす。
その間、彼らは母親からミルクを与えられていて、遊ぶために多くの時間を費やす。
「動物行動研究における見解では、動物が学習し、成長の過程で”大人(成獣)として、より複雑な潜在的行動を取るための準備”として、”遊び”の中で学ばせる傾向があるとしています」とCook氏は続ける。
>つまり、成獣になったときには「自分で食料を調達して食べる」という行動を取らねばならず、でもしばらくはママンがミルクくれるから、その間に遊び×食べるで大事なことを覚えようタイムを過ごすってことかなと思います。わたしの大好きなねるねるねるね作るみたいなもんかな。
ところで「遊ぶために多くの時間を費やす」という日本語の美したるや、と思いました。
—つまり、ちょうどタコで遊んでいたということ?
「なんとも言い切れないが、可能性としてはあり得ます」とCook氏。
>原文は"It's hard to say" でして、"It's hard to say" といえば…!とここで頭のなかでDon't Look Back In Anger / OASISが流れ始めたんですが、サビまで流れ切ってあれは”I heard you say”だと気づき、いよいよこの続きを書く心が折れてきました。
「アシカは食べ物で遊ぶことがとても好きで、タコを投げつけるのはアシカにとってかなり楽しいかもしれないです。」とCook氏は言う。
Cook氏は以前、飼育下にあるアシカが食事のあとに残ったエサで遊んでいる様子を見たとのことだ。 30分ほどの間、アシカは魚を上下に振り回して、投げあげたものを再度キャッチするなどしていたようだ。
>「タコを投げつけるのはアシカにとってかなり楽しいかもしれないです。」を訳すの、文章の状況がイレギュラーすぎてこの文章を打つことがわたしにとってかなり楽しいかもしれないです。
Cook氏によると、タコを投げつけた直後、アシカが後ろへ回り非常にゆっくりと泳ぐことから「このアシカがタコで遊んでいた」可能性を見てとれるそうだ。
ひっくり返ってヒレを振る泳ぎ方は、アシカがかなりリラックスしていることを表しており、仮にアシカが「獲物を追いかけている状態」である場合には見せない仕草だという。同時に、アシカは時折「食べ物を投げて食べやすくする」という行動を取る。
>再びすっごくどうでもいい話題なんですが、「アシカが」と打ちたいときにしつこく「足利」と変換されることもわたしのフラストレーションをじわじわ高めていきました。
Reichmuth氏は、この動画がアシカの典型的な採餌行動を描写できていると述べる。
>皆さん(わたしが余計なこと挟むせいで)お忘れかもしれませんがカリフォルニア大学サンタクルーズ海洋科学研究所主任研究員のReichmuth氏です。
「この動画の行動は、アシカが”すべてを丸のみするには難しい餌”を捕らえたときの行動として非常に正常なものです。」とReichmuth氏は言う。
「アシカには臼歯がないため、滑りやすい魚やタコを握ることはできますが、うまく噛むことはできません。代わりに、彼らは獲物を水面に持ってきて水にぶつけ、それを一口サイズのものに分解するのです」と彼女は続けた。
>つまり、「すりつぶすための歯(grinding teeth)」が無いから一口ずつもぐもぐができなくて、「ヒャッハーーーー砕け散れーーーーーーい!!」と投げつけることがあるそうです。アシカのきもちを見る目が変わる。
Reichmuth氏とCook氏は、「アシカがタコを水面にぶつけたかった」という点で同意した。つまりそこにカヤック乗りが居たかどうかは関係なかったのだ。
アシカは通常、人間に無関心である。
「アシカは人間に近づいて見ることはするが、だいたい自分のことしかしないんです」Cook氏は言う。
Cook氏によると、アシカが人間と闘うために武器としてタコを使ったとは考えにくいそうだ。
「アシカが積極的に人を叩くという行動は、これまで聞いたことがありません。もしあったとしたらかなりの驚きです。」
>アシカ「人間うるせえ、タコぶつけんぞ」でなくて「ヒャッハーーーー砕け散れーーーーーーい!!(遊び)(楽し気)(ところで人間いるらしい)」だったのか…
しかし、アシカが人間に対して無関心であっても、彼らが人間にイラつかないというわけではない。「アシカは遊び心のある動物ですが、人間の存在に邪魔されていると感じないわけではないのです」と、Reichmuth氏は言う。特に、採餌時のような生物学的に重要な活動を行っているときはそうだという。
おそらくカヤックに乗っていた人物は、アシカが餌を食べていた場所にパドリングしてしまったのであろう。「(海上からでは)動物の身体の表面は数回しか見えないので、カヤック乗りはおそらく、いるべきではない場所、餌を食べているアシカに近すぎる場所にいたのでしょう。」と彼女は話した。
彼女は、この動画が面白がられているうちに、より大きな問題の提起にもつなげられると考えている。それはすなわち、「野生生物の領域への人々の浸食」である。
野生動物に対する一般的な礼儀として、動物が人間の存在のために行動を変える、「応答の閾値(threshold of response)」からは遠ざかる(踏み込まない)ものだと彼女は言う。
>人間と野生動物の共存のための線引き。その線を越えてしまえば、(今回はおそらく違うようですが)「うるせえ、タコぶつけんぞ」と言われても仕方ないかもしれません。
結局のところ、このアシカがタコで何をしていたのか、その行動がカヤック乗りの影響を受けたものなのかどうかは、確実には分からない。
>最後にもう一度すっごくどうでもいい話題なんですが、ここの原文を直訳すると「この今世界的に有名なアシカは」と言っていて、「これこれ~!このTHE☆英語のジョークみたいな言い回し~~~!」となりました(二回目)。
誰かがアシカの奇抜な行動、あるいは動物の予期しない行動を目撃すると、それがなぜ起こったのかという推測がしばしば起こる。
「我々は、アシカたちがしばしば我々の知りえなかった”新しいこと”をしているのを観察しています。」Cook氏は言う。
「いつもたくさんの質問があり、私たちは最良の回答を返します。が…アシカたちはあなたを驚かせるでしょうけど。」
>原文"But, yeah, they can surprise you."で終わらせるのカッコイイなと思いました(小学生並の感想)。バットイエー(いい感じに肩をすくめつつ)。
—筆者Rachel D. Cohenは、NPRのScience Deskのインターンです。
>わたくしがちゃぴんは、ただのツイッター廃人です。転職先を募集しています。
(以上、原文 Sea Lion Slaps Kayaker With An Octopus Right In The Kisser : Shots - Health News : NPR)