私(佐藤)は「デパート大好きおじさん」を自負している。お笑いコンビ「矢野・兵動」の兵動さんが『すべらない話』で、家電量販店に行くとテンションが1.5倍くらい上がると言っていた。その気持ちわかる……。私もデパートに行くと気持ちがアゲアゲになる。そんなおじさんだ。

だがしかし、毎回歩き回っていると、どこに何があるかわからなくなる。とくに惣菜コーナー、ちょっと弁当でも買おうと思っても何が良いのかサッパリわからん。自分じゃ選べん! ということで日本橋三越本店の地下で案内係にオススメを尋ねたところ、美味いもんを勧めてもらったぞ!

・心は満たされる

三越といえば日本を代表する百貨店のひとつ。地下の食品売り場には、日本全国の美味いものが集結しているといっても過言ではない。和洋中華から菓子類、パンに生鮮食料品に至るまで、本当に良いものが集まっており、見ているだけで何だか心が満たされる。


でも! 見ているだけじゃ、お腹は満たされない!! 美味いものが目の前にある分、余計に腹が減るじゃないか。空腹のせいで全部美味そうに見える。何を食えっていうんだ、チキショーッ!! もはや一刻の猶予もなくなり、過度の空腹で判断能力ゼロになったので、近くにいた優しそうな案内係の男性に尋ねた。


佐藤 「すみません、お尋ねします。オススメのお肉のお弁当ってありますか?」

案内係 「ありがとうございます。ご案内いたします(最寄りの店舗に案内される)、こちらが期間限定になりますが、「レストランキャメロン」と言いまして、和牛を使ったお弁当をご提供しております。

あとは、あちらの方に「柿安ダイニング」がございます。もしくはこちらの方に、お馴染みの「浅草今半」。あとは、和牛弁当で有名な「肉の壱丁田」もございます」


すげええええええ! さすが三越、こんな風体のあやしいオッサンにも懇切丁寧に教えてくれる。しかもお店まで案内してくれるなんて、ホスピタリティハンパねえッ! 感激して一瞬ウルっと来ちまったよ。さすが高級デパートだけある。


・肉の壱丁田

それらの提案のなかから、私が選んだのは「肉の壱丁田」の弁当だ。


ステーキ弁当が猛烈に美味そうに見えたのだが、今回はあえてそれを選ばなかった。ステーキよりも、お高い値段の肉寿しを購入して帰った。お値段なんと、2700円ッ!! 案内係の提案に報いるつもりで、奮発してしまった……。


肉を寿司にしようと考えた人は一体誰なのか? 「そうだ! 肉を寿司にしよう!!」、その大胆な閃きを形にした人に私は賞賛を送りたい。なぜなら、その見た目はあまりにも美しく、食欲をそそるものだからだ。


美味そう! メチャクチャ美味そうじゃないかッ!! 震えるほどの空腹をガマンしてよかった。勢いで菓子パンとか買わないで本当によかった。


肉寿し、食べるしんよ~♪


・味の化学反応

誰かが言っていた。「空腹は最高の調味料」であると。あれは本当だ、今は何を食っても美味い。それは間違いないのだが、本当に美味いものを “最高の調味料” と共に食ったらどうなるか?


一貫、箸でつまんで口に放り込む。柔らかな肉の脂の甘さ。そしてほどよく辛味の効いたワサビ。ひと噛みごとに2つの相対する味が混ざり合い、調和して口の中で混然一体となっていく。


口の中で織りなされる、味の化学反応を、あえて一言でいうと……。


美味い!


皆さんもぜひ試して欲しい。耐えかねるほどの空腹状態でデパートに行き、案内係にオススメ弁当を尋ねて欲しい。きっと、その提案が幸せをもたらしてくれるだろう。


・今回訪問した店舗の情報

店名 肉の壱丁田
住所 東京都中央区日本橋室町1丁目4−1 日本橋三越本店 本館地下1階
営業時間 10:00~19:00
定休日 なし(施設に準ずる)

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

日本、〒103-8001 東京都中央区日本橋室町1丁目4−1