【追記あり】「初カキコ…ども…」10周年に投稿者が名乗り出る 「『りぼん』読み切りの台詞をパクった」→読んで真相を調べてみた
りぼん64冊を調査しました。※12月9日追記
10年前の2009年12月3日、2ちゃんねるオカルト板グロ総合スレに書き込まれ、その痛々しさからコピペとして広まったレス「初カキコ…ども…」をご存じでしょうか。投稿者と名乗る人物がTwitterに降臨し、一部ユーザーの間で騒然となっています。
投稿者(現在はアカウントを消去)によると、いまだ語り継がれるあの迷文は、『りぼん』の読み切り漫画をパロディにした“ネタ”だというのです。じゃあ「中3でグロ見てる腐れ野郎」は実在しないってこと……?
ねとらぼ編集部ではアカウントが消える前にDMで取材を申し込みましたが「本人が掘り下げると無粋になる」との理由で詳しいコメントはもらえませんでした。
132:本当にあった怖い名無し:2009/12/03(木) 03:48:38 ID:i8XtSQs10
初カキコ…ども…
俺みたいな中3でグロ見てる腐れ野郎、他に、いますかっていねーか、はは
今日のクラスの会話
あの流行りの曲かっこいい とか あの服ほしい とか
ま、それが普通ですわな
かたや俺は電子の砂漠で死体を見て、呟くんすわ
it’a true wolrd.狂ってる?それ、誉め言葉ね。
好きな音楽 eminem
尊敬する人間 アドルフ・ヒトラー(虐殺行為はNO)
なんつってる間に4時っすよ(笑) あ〜あ、義務教育の辛いとこね、これ
ツイートによれば「初カキコ…ども…」はおよそ30年前の『りぼん』に掲載された読み切り漫画が元ネタ。「いますかっていねーか、はは」「〇〇はNO」などの中二病発言は、かっこいいヤンキー転入生が自己紹介で発した台詞を流用したというのです。これは調査するしかない……!
「具体的な号数は思い出せないが、『星の瞳のシルエット(作:柊あおい)』の連載期間中であることは間違いない」とのこと。だとすればターゲットは1985年12月号〜1989年5月号に絞られます。
すぐさま国会図書館へ向かい、2日間かけて該当号の読み切りを調べました。
さて、結論からお伝えすると、元ネタとみられる漫画は確認できませんでした。
『星の瞳のシルエット』連載期間中に本誌掲載された読み切りは38本。そのうち閲覧可能だった37本に目を通しましたが、それらしい台詞は見当たりません。増刊号である『りぼんオリジナル』まで調査対象を広げてみても成果は無し。
そもそもヤンキー男性がメインキャラクターとして登場するエピソード自体まれで、「転校してくる」というシチュエーションに至っては『りぼんオリジナル』1986年4月号に掲載された『ベイビーおてやわらかに(作:きたうら克己)』のみ。
しかし同作は「三枚目のヤンキーが超強いヒロインに振り回される」という内容であり、ツイート投稿者の証言とはマッチしません。飲酒・喫煙するヒロインが主人公の読み切りも1本だけ存在しましたが、こちらも同様に元ネタではなさそうです。
残念ながら2日目も国会図書館が閉館する19時を迎え、『星の瞳のシルエット』連載期間外は未調査のまま終了(あ〜あ、公共施設の辛いとこね、これ)。また、『りぼん』86年3月号および『りぼんオリジナル』88年2月号・88年6月号はメンテナンス中で閲覧できなかかったため、これら3冊に掲載されていた可能性も残されています。 ※記事末尾に追記あり
【12月9日追記】残る3冊も調査しましたが……
12月9日、「明治大学 現代マンガ図書館」にて『りぼん』86年3月号および『りぼんオリジナル』』88年2月号・88年6月号を確認しましたが、それらしいセリフは見つかりませんでした。以上の調査で『星の瞳のシルエット』連載期間中の全読み切り作品に目を通したことになります。
とはいえレスが投下されたのは10年も昔。ツイート投稿者の記憶違いだったのかもしれません。
本文中でも述べましたが、該当期間の『りぼん』に不良らしい不良はほとんど登場せず、ちょっとオラついた男がコマの端を横切るだけで「もしかして……こいつが……!?」と運命の相手に出会った乙女のようなときめきを感じられました。「『りぼん』ではなく別の雑誌だった」という可能性はまだ残されていそうです。
ねとらぼでは引き続き調査を行っています。情報をお持ちの方からのご連絡、お待ちしております。
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