ロゴデザイナーではない僕がロゴを制作するにあたって気をつけたこと〜「Whisky STAND」ロゴ完成への道のり〜

ロゴデザイナーではない僕がロゴを制作するにあたって気をつけたこと〜「Whisky STAND」ロゴ完成への道のり〜

たっつん

たっつん

2021年1月15日追記:当記事でご紹介しておりますWhiskySTANDは、2020年に営業を終了いたしました。今までご愛顧いただきましたお客様に、深く御礼申し上げます。

はじめまして。名古屋からやってきました、デザイナーのたっつんです。

酒が好きです。そのせいか際限なく太っていくので禁酒も考えていますが、きっとやめないのでしょう。

さて、僕は7月から入社したのですが、入社のタイミングで新規事業「Whisky STAND」のロゴコンペがあり、ありがたいことに僕のデザインが採用され、ロゴを担当させていただくことになりました。

もともとロゴが得意なわけではなく、コンペがあると知っていたらなにかと理由をつけて入社を遅らせることも視野に入れるレベルには苦手意識がありました。Webデザイナーとしてキャリアがある方でも、ロゴに苦手意識がある方は多いのではないでしょうか?

今回はロゴデザイナーではない僕がロゴを制作するにあたって気をつけたことや、完成までの流れを紹介したいと思います。駆け出しのデザイナーの方やロゴ作成の経験があまりない方に、少しでも参考になればと思います。

コンセプト作成

いきなり作りはじめてはダメです。ハマります。

Webデザインも同じですが、手を動かす前の準備段階がすごく大事だと思います。本来はヒアリングからはじめると思いますが、今回は社内コンペのため、詳細な指示書がありました。ただこれはあくまで依頼側の指示書なので、これをデザインに昇華するために指示書の内容をもとにデザインコンセプトを作成していきます。

今回Whisky STANDのコンセプトとして、「いわゆるオーセンティックなバーではなく、ウイスキーに馴染みがない人でも気軽に楽しめるカジュアルなバーにしたい」という要望がありました。そのほか指示書の中から要望を読み取り、核となりそうなキーワードを抜粋し、さらにそのキーワードを構成するワードを洗い出しました。

Whisky STANDのコンセプトワード
  • テイスティング
  • キャッチー
  • ユニーク

これをコンセプトワードに据え、今後のロゴ作成の指標にしていきます。さらに競合のリサーチやポジショニングマップの作成、参考ロゴの洗い出しなども必要です。

スケッチする

なんとなくふわーっとでも方向性が決まったら実際に手を動かして行きます。スケッチとかなんか大げさなこと書いてますが、僕にはまったく絵心がありません。でもいいんです。自分の頭を整理する目的であったり、アイディア出しのためのものであって絵のうまさは関係ない。はず。

!?

 

!?!?!?!?!?!?

 

とにかくこんな感じでひたすらなにかよくわからないものを生み出し続けました。人によってはここでほぼほぼ形にする方もいますが、見てのとおり僕には無理です。

そうやっていくうちに、だんだんイメージが固まっていきました。ここでようやくIllustratorを開きデザインしていきます。

Illustratorでの原案作成

完成した原案がこちらです。

ロゴ全体をウイスキーのグラスに見立て、傾けることでテイスティングしている様子を表現しました。全体的に作り込まずさっくり仕上げることでゆるさやカジュアルさ、敷居の低さを訴求します。テイスティングの要素を入れつつ、キャッチーでユニーク。コンセプトに沿ったロゴができたかなと思います。

提案資料の作成

作成したデザインはそのまま提出しても魅力も伝わらず説得力もありません。もったいないですね。依頼者に魅力をしっかり伝え、納得してもらうためにも、提案資料の作成はかならずした方がいいと思います。作成した意図や説明はもちろん、使用例などで、実際に看板やカードに使うイメージをしてもらうことも大事だと思います。

この案がめでたく採用され、新規事業のロゴを担当することになりました。

社内フィードバック

もちろんこのまま出すわけではなく、社内のフィードバックをもとに調整して仕上げていきます。正直「このままでいいじゃん」と思いましたが、大人なので言いませんでした。この段階でのフィードバックはざっくりこんな感じです。
 

  • テイスティングでは氷は使わない。削除 or ほかのモチーフに変更
  • TASTING BARをもう少し目立たせる
  • 方向性はいいのでこの雰囲気でいきたい

 
修正前のデザインは氷がポイントになっていて、ウイスキーグラスと一瞬でわかるキャッチーさや、いい感じのゆるさのようなものが出ていたのですが、その氷の代わりになる案がなかなか出てこず、かなり苦戦していました。

さらに今回、オープン日の兼ね合いなどもあり、かなりタイトなスケジュールの中FIXさせないといけない状況。

ど、どうする……!



修正で気をつけたこと

こうしました。

6、7割程度で投げる

10割まで作り込んで外したらかなりのロスになり、終わります。なので作り込む前の方向性がわかるレベル、相談ベースで投げてフィードバックをもらいます。

自分はしっかり作ってから出したい派なので今までやってきませんでしたが、一人で悩んでいるより確実に進展が早かったので、場合によってはこういった進め方もありだなと思います。

直接コミュニケーションをとる

普段はチャットツールでやりとりしていたのですが、やはり限界がありますね。しっかり時間をとり、直接会ってコミュニケーションを取ることでチャットでは出ない話になったり、細かいニュアンスが伝わったり、その後のチャットのやりとりがスムーズになる気がします。結果的に時間の短縮になりました。

ロゴ完成

修正案をもとに完成したロゴがこちらです。

方向性は大きく変更せず、モチーフを変更しました。ウイスキーの原料である「麦」をモチーフにしています。

カジュアルさやキャッチーさなどは損なわず、フィードバック内容をクリアできたと思います。お店がかなりラグジュアリーな雰囲気だったので、テイスト的には修正前より合っていると感じます。

まとめ

まとめようと思いましたが特にまとめることがなかったので、今回ロゴ作成する上で見つけた著名なロゴデザイナーの記事から僕が好きな言葉を引用してまとめの代わりとさせていただきます。

あくまでロゴはアイデンティフィケーションに過ぎず、会社の哲学を語るものではないのです。
ロゴが伝えるのは、その企業が“何をやっているのか”ではなく、“誰なのか”。
最高のロゴは何も語らないのです。(引用:「ロゴにトレンドなど無い」世界的企業の”顔”を60年つくり続けるデザイン事務所が知る〈ロゴの髄〉 | HEAPS

しびれますね。

それではみなさん、Whisky STANDでお会いしましよう。

LIGはWebサイト制作を支援しています。ご興味のある方は事業ぺージをぜひご覧ください。

Webサイト制作の実績・料金を見る

この記事のシェア数

名古屋からやってきました。 お酒と音楽とゲームと漫画が好きです。 紙をやぶく真似が一番得意です。その次にデザインです。 よろしくお願いします。

このメンバーの記事をもっと読む
デザインのプロセス | 8 articles
デザイン力×グローバルな開発体制でDXをトータル支援
お問い合わせ 会社概要DL