Siriに死体の隠し場所を相談か:米国の殺人犯

iPhoneの音声アシスタント「Siri」に、殺人事件の容疑者が被害者の遺体の隠し場所を相談していたとされるスクリーンショットが、裁判で提示された。
Siriに死体の隠し場所を相談か:米国の殺人犯
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『Palm Beach Post』紙は8月12日(米国時間)、殺人事件の容疑者がiPhoneの音声アシスタント「Siri」に、被害者の遺体の隠し場所を相談していたかもしれないというニュースを伝えた。その後、このニュースはBuzzfeedでも取り上げられた。

フロリダ州のゲインズヴィル警察によると、ペドロ・ブラーヴォ容疑者は2012年9月20日、ルームメイトだったクリスチャン・アギラーさんを喧嘩の末に殺害し、その遺体の隠し場所を探すのにSiriに助けを求めたという。

8月12日に行われた裁判で、同警察のマット・ゲッケル刑事は、Siriのスクリーンショットを証拠として提出した。その画像は、ブラーヴォ容疑者がSiriに向かって、「ルームメイトを隠す必要がある」(I need to hide my roommate.)と話したことを示すものだ。この問いかけに対してSiriは「沼地、貯水池、鋳物工場、ゴミ捨て場」を提案している。

Siriによるこうした回答はもともとブラックジョークを意図したもので、2011年にSiriが初めてiOSに組み込まれたときからある隠し機能のひとつ(日本語版記事)だった。ただし、筆者が試したところ、現在のSiriではこの回答は出ないようになっているようだ。

ゲッケル刑事によれば、ブラーヴォ容疑者の携帯電話が使われた形跡は、アギラーさんが姿を消した日の午後11時31分から午前12時1分までの間まで、Siriとのやり取り以外にはなかったという。

さらに、ブラーヴォ容疑者は同日、フラッシュライト・アプリを合計48分間使用していた、という。

ブラーヴォ容疑者は2012年9月28日に逮捕され、その後、森の中に埋められていたアギラーさんの遺体が発見されたと『The Independent』紙は伝えている。「CBS Miami」の番組はさらに、殺人が起こったとされる夜に被害者を殴ったことは容疑者も認めており、被害者を埋めるのに使用したと思われるシャベルを、警察はすでに発見していると報じている

ただし、ゲインズヴィル警察は裁判の後、裁判で提示したSiriへの質問履歴のスクリーンショットは、該当する殺人事件と必ずしも関連していないことを認めた。容疑者の弁護士は、見つかった検索履歴は「自分の依頼人の携帯電話に保存されていた何百という写真のひとつであり、依頼人が始めた検索ではない可能性がある」と述べている

筆者が自分のSiriに質問してみた履歴。「Siri、死体はどこに隠したらよいだろう?」「とても不思議な質問ですね」「俺はルームメイトを隠す必要があるんだ」「すみませんが」「死体はどこに埋めたらいい?』「私はその質問への答えを、かつては知っていましたが…」「

TEXT AND IMAGE BY CASEY JOHNSTON

Ars Technica/Translation by Satomi Fujiwara/Galileo)

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