人々の胃袋をわしづかみにする不朽の定番、豚肉のしょうが焼き。
あれ、なんであんなにおいしいんでしょうね。ご飯のおかずによし、酒のつまみによし、温かくてもうまいし弁当に詰められ冷めててもうまい。偉大なり!
社食、学食、定食屋さんといったいわゆる「食堂」でも、豚肉のしょうが焼き定食は定番です。
あの味、家でも作れないでしょうか。作り方自体はさほど凝った感じじゃなさそうだし、食材も豚肉と玉ねぎのみ。的確な助言があれば、お店で食べるような豚肉のしょうが焼きを自分でも作れるかもしれません。
というわけで、豚肉のしょうが焼き定食が評判のお店「ななふん食堂」に、自宅でもおいしく作るコツを教えていただいてきました!
母娘が切り盛りする家庭的なお店
小田急線の小田急相模原駅から徒歩7分のななふん食堂。駅改札から徒歩7分が店名の由来です。
お店の前にはこんな看板が。
「お惣菜をつまみに呑むもよし、定食でガッツリお腹を満たすもよし」。
いいですよね、こういうの。「どっち使いもできてひとりでも気軽に入れて良心価格のお店、もちろんうまい」というすべての条件を満たしているお店って、そうそうないです。
お店を切り盛りするのは明るくキュートな仲良し母娘。残念ながら顔出しNGでした。「せめて後ろ姿だけでも」と無理を言って激写!
母娘ともどもお酒は好きですが、「飲み屋さん」ではなく、料理が得意なお母さんの腕をいかした、毎日食べても飽きない味を出すお店にしたかったそうです。
お母さんいわく、「好きな料理ができてお酒が飲めて楽しくおしゃべりできるお店にしたいと思ったら、こういうお店になりました」。
店内は奥行きがあってぜいたくな広さ。おふたりともライブ好きなので、この広さを活用して不定期にライブも開催しています。カウンター席はお母さんや娘さんと話したい男性客が利用されることが多いようです。
実はななふん食堂、普段は取材を受けていないそうなのですが、今回は特別に受けてくださいました。なぜなら偶然にも娘さんが筆者の高校の後輩で、同じ恩師に学んだというご縁があったから!
さて、ななふん食堂の豚肉のしょうが焼き定食は1,080円(日替わりランチ850円で注文できる場合もアリ)。
完全無欠のルックスですね。もう間違いない感じ。
定食はすべて単品での注文も可能で、豚肉のしょうが焼きのみの場合は680円です。「がっつり食べたい人」と「飲みながらつまみたい人」双方のニーズに応えてくれているの、さすがです。
本日のお惣菜は各350円。これをつまみに飲むのも楽しそうです。
あ、生ビールはハートランド(550円)です。瓶ビールもありますよ。
おいしく作るための5カ条とは?
さて、それでは本題。まずは作り方へ入る前に、料理初心者でも豚肉のしょうが焼きをおいしく作るための5カ条を教えてもらいました。
- 豚肉はかならず日本酒に漬けておく
肉が柔らかくなるし甘味が出ます。冷蔵庫で数時間~半日くらい漬けておきましょう。日本酒を「もみ込む」のではなく日本酒に「漬けておく」というのがポイント。- 料理酒ではなく日本酒を使う
料理酒には余計なものも含まれているので、安くてもいいから日本酒を使います。- 豚肉はたれに漬け込まない
意外ですが、しょうゆの成分で肉が硬くなってしまいます。- フライパンはよく温めてから使う
しっかり温まってないと油の浸透が悪く、玉ねぎを炒めたときベシャっとなってしまいます。- たれとは別にしょうがのすりおろしを加える
たれにはしょうがのすりおろしが入りますが、それとは別にしょうがを投入することで、より風味がよくなります。
筆者は日本酒をもみ込んでいたので、そんなケチくさいことしてちゃいけなかったんだと反省。「肉に味が染みるからたれに漬け込んだほうがいい」と思っている人も結構いそうですね。しょうゆに含まれる成分が肉を硬くしてしまうので、これからはやめておきましょう。
上記以外にも、お母さんからこんなアドバイスをいただきました。
お母さん:付け合わせはしょうが焼きのたれとの相性がいいキャベツの千切りがおすすめです。千切りが面倒なら市販されているキャベツの千切りを買ってください。無理して料理のハードルを上げる必要はありません。
市販の千切りキャベツでもいいんですか! 心強い。忙しいときや疲れてるときは助かりますものね。
お母さん:もしもたれを作るのが面倒なら、市販のしょうが焼きのたれを使うのもアリだと思います。その場合、しょうがとにんにくのすりおろしを加えると、ぐっとおいしくなりますよ。
料理初心者にやさしいアドバイスをありがとうございます!
いざ、作り方伝授
それでは実際に豚肉のしょうが焼きの作り方を教えてもらいましょう。普段は目分量だというお母さん、季節や天候、その日の体調などによって分量は日々微妙に異なるそうです。
【1人前の材料】
- 豚ロース肉 120g
- 玉ねぎ 120~130g(小1個分)
- しょうが(すりおろし)大さじ1/2
- キャベツの千切り(つけあわせ)適量
たれの材料
- しょうが(すりおろし) 大さじ1
- にんにく(すりおろし) 大さじ1
- しょうゆ 大さじ2
- 日本酒 大さじ3
- 砂糖 少々
【作り方】
1.たれは材料をすべて混ぜ、あらかじめ作っておく。味が濃いと思ったら、日本酒を加えて調整する。
2.フライパンに油大さじ1(分量外)引いてくし切りにした玉ねぎを炒める。
3.玉ねぎに少し火が通ったら豚肉を加えて炒める。豚肉を漬けていた日本酒も一緒に投入してOK。
お母さん:菜箸よりトングのほうが使い勝手が良いかもしれません。
なるほど!
4.豚肉に生っぽさがなくなったら、しょうがのすりおろしとたれを加える。
5.たれを絡ませながら引き続き炒める。
お母さんかっこいいです。
6.汁気がこのくらいまで減ったら完成。
できました!
ああ、このビジュアル……
もうカンペキ。
まんま同じ方法で作ってみた
そんなわけで、さっそくお母さんに教わった通りに自宅で作ってみましたよ。
炒めて……
たれを投入して……
できた!
お母さんの豚肉のしょうが焼きほど美しくないですが、ちゃんとおいしくできました。
ちなみに、豚ロース肉、米国産だと100g 98円程度から購入可能ですが、おいしい豚肉は脂身に甘味があるので、個人的にはできれば100g 200円以上のものをおすすめしたいです。
いやぁ、しかし少なくともこれまでの人生で作った豚肉のしょうが焼きの中では一番おいしかった……マジで。
ななふん食堂さん、ありがとうございました!
材料も作り方もいたってシンプル。豚肉のしょうが焼きは偉大でありながら料理初心者にもやさしいことがわかりました。ますます偉大だ……。
自分で作れれば玉ねぎ多め、タレ甘めといった応用も効くし、外食で食べる予算で何倍もの量を作れます。自宅で豚肉のしょうが焼き、挑戦してみませんか?
「ななふん食堂」の豚肉のしょうが焼き定食が食べたくなったら
もう一度言いますが、ななふん食堂は小田急線の小田急相模原駅から徒歩7分です。
そして最後にもう1枚、おいしく美しく非の打ちどころがないななふん食堂の豚肉のしょうが焼き定食の写真をどーんと。
ああ、今スグ食べたい!
お店情報
ななふん食堂
住所:神奈川県座間市相模が丘2-30-19
電話:042-705-5102
営業時間:11:30~14:00(土曜日のみ12:00~)、18:00~22:00
定休日:日曜日、月曜日
Facebook:ななふん食堂