「八角香」の、あの匂いを
こんにちは、ちみをです。旅行に行きた過ぎておかしくなりそうです。
異国の飯、酒、景色、空気が欲しくて毎日ガタガタ震えております。コロナめ。
ところで、皆さんはどこに行きたいですか?
私はなんといっても台湾に行きたい。台湾が好きでこれまで4回行っておりまして、そんなに何をしに行っているかというと各種観光地や美味しいご飯は当然楽しむとして、結局のところあの「匂い」を嗅ぎに行っている、と言っても過言ではありません。
▼宜蘭(イーラン)の夜市、ローカル感が好き
▼けっこう猫がいるので好き(夜市の麻雀ビンゴ屋さんにて)
いったいどういうことか。それは台湾の空港に着いた瞬間より四六時中鼻をくすぐり続けるあの独特の「八角香」です。
明らかな日本との違いを嗅覚で理解するあの瞬間こそ異国情緒であり旅行の醍醐味。
こと台湾においては好き嫌いがはっきり分かれるほど強烈なこの八角香のおかげで「あぁこれぞ旅だ、異国だ」と五感を通じて旅行モードが沸き上がってきて、何度来てもワクワクしてしまいます。
だから私は台湾が好きなのでしょう(あと近いから)。
肺一杯に台湾を吸い込みたい、が、八角は使いづらい
直接現地に行けないのであればせめて嗅覚だけでも旅をしたい。
いつだって異国情緒に抱かれたいのはやまやまですが漢方的な癖のある香りが苦手な人も多い八角、パウダーではなくホールで売っていることが多く、量の加減や取り扱いの難しい部類の香辛料であります。
▼八角、むずい
また八角を単体で使用すると香りの個性が尖りまくるので他の香辛料とミックスして使いたい。そうするとちょうどい良いのがこの「五香粉(ウーシャンフェン)」という訳です。
▼そこで活躍、五香粉(ウーシャンフェン)
ウルトラアジアンな香り。
「五香粉(ウーシャンフェン)」とは?
耳慣れない方も多いでしょうこの五香粉。調べましたところ、
- 主に中国や台湾等で使われる「5種以上」の香辛料をブレンドしたもの
- 肉、魚の臭み消し、香り付けに使われる
- よく使われるのは、八角、クローブ、シナモン、フェンネル、花椒あたり
- ほかにもナツメグや陳皮などが用いられる場合がある
- 原料、配分は統一されているわけではない、メーカーや地域で違う
- 「四香一辛」のブレンドが基本とされる、らしい
日本でいう七味唐辛子的なものでしょうか。ただ辛みは弱く脇役にとどまり、あくまで消臭と芳香付けがメインの調味料と言えます。
先ほども申したようにブレンドされることで八角単体よりも当たりがソフトな香りですが、それでも十分八角を感じることができ、パウダーで使いやすいので非常にオススメ。
面白いことにメーカーによって香りがけっこう違います。私が台湾で買ったものは八角とシナモンの芳香が強く、甘く漢方的で癖のある印象で、異国情緒を大量摂取できるので愛用しています(補充したい)。
代表的な使い方
五香粉、実はかなり汎用性が高いのですが、とりあえず代表的な使い方2例を紹介します。
◉茶葉蛋(チャーイェーダン、台湾風煮卵)
台湾のコンビニに欠かせないアレですね。セブン-イレブンだけでかなりの数が売れるらしいです。
【材料・卵5個分】
- 卵 5個
- 茶葉 (紅茶パック1つ)
- 五香粉 小さじ1
- 醤油 大さじ2
- 水 適量
【手順】
1.卵を固茹でにする
2.茹で上がったら殻を叩いてヒビを入れる
3.換気扇のスイッチをONにする
4.鍋に殻付きのままの卵、ひたひたの水と茶葉、醤油、五香粉を入れ弱火で30分煮込む
5.火を止め、粗熱が取れたら半日ほど冷蔵庫で休ませる
6. 殻をむいて完成
茹で卵、写真難しい。
▼白身が美味しい
本場は八角を使うのですが使いやすい五香粉で代用したもの。
茶葉はウーロン茶でもOK。
煮たり休ませたりと時間がかかるので少々面倒ですが、工程は基本煮るだけなので難しくはないです(1、2日休ませるとさらに味と香りが良く染みてベター)。五香粉の香りに慣れてきたら徐々に増量も良し。
煮ている最中に立ち込める香りが超異国で最高なのですが、手順3を忘れると部屋中の香りがえらいことになりますのでご注意を。
【異国情緒】★★★★★
【お手軽度】★☆☆☆☆
◎魯肉飯(ルーローハン)
台湾中で食べられる最強ファスト飯をご家庭で。
【材料・2人前】
- 豚バラ肉 300グラム
- 生姜 チューブ小指程度
- ニンニク チューブ小指程度
- 五香粉 小さじ1
- 醤油 大さじ2
- 砂糖 大さじ2
- 酒 大さじ2
- 酢 大さじ1
- 水 300ml
- サラダ油 適量
- ご飯 お茶碗2杯
【手順】
1.中華鍋などに薄くサラダ油をひいて豚バラを炒める
2.火が通ってきたらニンニクと生姜、五香粉を加えさらに軽く炒める
3.換気扇のスイッチをONにする
4.残りの材料を入れて、灰汁を取りつつ強火で30分ほど煮込む
5.煮詰まったら、
ご飯にぶっかけて完成
材料は多いですが炒めて煮るだけなので難しくはないです。
五香粉の香りと豚の脂が心地よく脳幹に突き刺さります。豚バラはブロックを5~10mm角程度に切ったものを使うと食いごたえがあって良いでしょう。
五香粉の香りに慣れてきたら増量も良し、先ほどの茶葉蛋をのせても良いし一緒に固茹で卵を煮込むのもアリ。
煮ている最中に立ち込める香りが超異国で最高なのですが、手順3を忘れると部屋の香りがえらいことになりますのでご注意を。
【異国情緒】★★★★★
【お手軽度】★★☆☆☆
「いや、めんどくせえなあ」という人に
この2品は鉄板なのですが、普段料理しない人にはちょっとハードルの高い料理ですよね、そうですよね。
もっと手軽に肺を異国で満たしたいですよね。ご安心ください。
そんなせっかちさんにオススメの「かけるだけ」超お手軽活用法が山とございますのでご紹介。
【振りかけるだけ活用法1.炒め物に振りかけろ】
ベタだけど炒め物に振りかければ効果は抜群だ!
▼野菜炒めに振りかけるもよし
▼キクラゲの玉子炒めに振りかけるもよし
味付けは赤や白の缶に入ったあのペースト中華スープの素のみで十分成立します。
適当な野菜等々を炒めたら五香粉を好きなだけ振りかけてみましょう。いつもの炒め物が急に異国の趣を醸し始めます。
【異国情緒】★★★☆☆
【お手軽度】★★★☆☆
【振りかけるだけ活用法2.インスタントラーメンに振りかけろ】
これもベタだけどインスタントの醤油ラーメンに振りかければ効果は抜群だ!
▼写真がむずい
手軽に牛肉麺的ニュアンスを楽しめます、醤油系が相性良いと思います。
【異国情緒】★★★☆☆
【お手軽度】★★★★☆
【振りかけるだけ活用法3.唐揚げに振りかけろ】
唐揚げに振りかければ効果は抜群だ!
▼コンビニに売ってる蓋付きカップ入りの唐揚げに振りかけて
▼Shake it up baby
いつもの唐揚げが急に異国風味に。酒が進みます。
▼筆者はマ〇クナゲットにも振りかけてしまう中毒者
【異国情緒】★★☆☆☆
【お手軽度】★★★★☆
ちなみに塩と五香粉を1対1で混ぜ合わせた「五香粉塩」も唐揚げに合います。
▼1対1で
【振りかけるだけ活用法4.水餃子に振りかけろ】
餃子は手作りじゃなくても効果は抜群だ!
▼近頃スーパーの出来合いの餃子を溺愛しています
便利で旨くて安い!
▼炒め物同様に中華スープの素(味付け薄めがオススメ)で5分くらい中火で煮込んで
▼五香粉をバサッと
個人的には一番好きな使い方。
▼のど越しから異国。美味しい。
【異国情緒】★★★★☆
【お手軽度】★★★☆☆
焼き餃子にも合いますが筆者は断然水餃子派。
【振りかけるだけ活用法5.ポテサラに振りかけろ】
ポテサラは手作りじゃなくても効果は抜群だ!
▼コンビニの出来合いポテサラにバサバサと
異国っぽさは乏しいですがツマミとしての性能がアップするのでオススメ、紹興酒ハイボールにばちこん合います。
【異国情緒】★★☆☆☆
【お手軽度】★★★★★
【振りかけるだけ活用法6.ポテチに振りかけろ】
お菓子にだって効果は抜群だ!
▼ポテチをパーティー開けしてバサバサと
これも異国っぽさは乏しいですが中々好相性、向こうのコンビニで売っていそうな感じ、台湾ビールが飲みたくなるぞ。ちなみに五香粉を使用したパウンドケーキやクッキーもあったりします。
【異国情緒】★★☆☆☆
【お手軽度】★★★★★
【振りかけるだけ活用法7.バニラアイスに振りかけろ】
本日の変化球枠。Twitterで教えてもらったんですがこれメッチャ旨いです。
▼少しずつ様子を見ながらかけましょう
もはや異国情緒ゼロですがバニラ香と五香粉の甘みのある香りが謎のマッチングを果たして味覚の無限城へぶっ飛びます、五香粉に体が慣れてきた方はお試しあれ。
【異国情緒】★☆☆☆☆
【お手軽度】★★★★★
まとめ
という訳で少々とっつきにくいけどハマると指数関数的に消費量が増えてしまう魅惑の調味料、五香粉。このように活用法は相当広いです。
あらゆる食べ物に大量にかけまくってもはや部屋の匂いまでも異国となりつつある筆者ですが、このご時世せめてもの旅行気分を五香粉で味わいつつ、来るべきコロナ開けをみんなで楽しみに待とうではありませんか。
では一度お試しあれ。是非。