ラーメンを自宅で作ると、途中でできる副産物メニューでお酒が進みすぎて幸せすぎた話

ラーメン好きなら誰もが一度は憧れる「自宅で本格的なラーメンスープを作る」。今回紹介する簡単な方法でラーメンスープを大量に作り置きしておくと、調理の過程でさまざまなおつまみができてしまうのだとか。

f:id:kinmasataka:20210522201545j:plain

自宅でうまいラーメンを作っていたら

時間ができるとラーメンを作ろうと思い立つようになったのは、この本の編集に携わったのがきっかけでした。

 

www.wani.co.jp

 

この本の撮影現場で出てくるラーメンがどれも美味しくて、感動したんですね。

その中でも私が気になったのが、1時間でできるラーメン、その名も「おうちラーメン」でした。

具材さえ揃えてしまえばあっという間に美味しいラーメンが出来るんです。

教えてもらった翌日に家で実践したんですが、出来上がったラーメンはもちろん、その過程でできる副産物があまりに素晴らしかったんです。

今回はその成果を皆さんにお伝えできればと思った次第です。

 

f:id:kinmasataka:20210522112003j:plain

さっそく、材料を用意します。

出汁となるのはこちら。

 

【自宅ラーメン(2人前)の材料・スープ】

  • 豚肉 (バラブロック) 300g
  • 煮干し 200g
  • 鰹節 10g
  • 昆布 20g
  • 鶏がらスープの素 大さじ1
  • 生姜 1かけ
  • ネギの青い部分 1本分
  • 水 1000cc

 

……を、用意してください。

 

f:id:kinmasataka:20210522112944j:plain

まずは鰹節で出汁を取ります。

和食の本には「沸騰させたお湯に鰹節を入れたら、火を止める」と書いてありますが、私は沸騰してからも5分ほどガンガン炊いてしまいます。

出来上がったスープを見て、カツオ風味が足りないと思ったら、さらに鰹節を追加してもう数分ほど炊きます。

繊細な出汁の味よりもパンチを出したくて、量で勝負するイメージです。

 

さて、出汁を取った鰹節は捨てないで取っておきましょう。

次の工程の最中に別の料理に変身させます。

 

f:id:kinmasataka:20210522123032j:plain

次に、他の具材を全部入れます。

鰹節だけ先に入れて出汁を取ったのは、他の具材と混ざって取り出しにくくなる危険があるからです。

強火で沸騰させたら、30分ほど弱火で煮ましょう。

 

出汁をとった後の鰹節は「ふりかけ風おつまみ」に

その間に、先ほどの鰹節の残りをフライパンで乾煎りして、醤油と砂糖(それぞれ小さじ1)をかければ、簡単なふりかけ風おつまみの完成です。

 

f:id:Meshi2_IB:20210616131242j:plain

▲「ふりかけ風おつまみ」。お酒と一緒にちびちびやると最高

 

これ、ラー油を垂らしても美味しくなります。

ラーメンを作ろうとしたら、いい感じのおつまみができてしまった瞬間でした。

さて次の工程へ。

 

f:id:kinmasataka:20210522124212j:plain

 

先ほどから弱火で30分ほど煮込んでいたスープが完成しましたので、スープに使った具材をザルにあけます。

 

一番大きな豚肉は、これからチャーシューにしていきます。

そして、ここでつけだれを作ります。

 

【自宅ラーメンの材料2】つけだれ

  • 醤油 150ml
  • 砂糖 大さじ1
  • にんにく 2かけ
  • ネギの青い部分 1本分

 

f:id:kinmasataka:20210522114740j:plain

こちらをすべて鍋に入れ、軽く沸騰させたら完成。

このつけだれに、先ほど茹でた豚肉を漬けます。

肉がつかるくらいの量のつけだれを、ジッパー付き保存袋に一緒に入れます。

ちなみに残ったつけだれはラーメンに使いますよ。

 

f:id:kinmasataka:20210522124820j:plain

見るからにうまそうなチャーシューになりました。

半日くらい漬け込むとしっかりと味がつくのですが、30分ほど漬け込んで少したれをまとわせるだけでも満足できます。

それは、濃厚な出汁たっぷりのスープで煮た豚肉だから。

チャーシューなのに、ほんのり煮干しの香りがするんですよね。

たれに漬けたチャーシューは、のちほど食べる予定とします。

言い忘れましたが、この時点で私は先程のカリカリ鰹節を肴にビールを飲んでおります。

 

煮出した煮干しは「簡単! 食べるラー油煮干し」になる

f:id:kinmasataka:20210522125517j:plain

鍋から取り出したのは肉だけではありません。

ほら、出汁を取った後の煮干しが大量に。

これを捨ててしまう方も多いと思いますが、ちょっと思いとどまってプリーズ。

大きな仕事を終えた煮干し、まだまだあなたたちは輝ける。再雇用、あるいは再評価をするのが私の仕事なんですね。

これを煮干しセカンドシーズンと名付けましょう。

ビールを片手にした私は、セカンド煮干しと適量のピーナッツを鍋に入れ、ごま油、中華スープの素、砂糖で炒めます。最後に唐辛子をドバドバっと入れたら、「簡単! 食べるラー油煮干し」の出来上がり。

 

f:id:kinmasataka:20210608173725p:plain

▲「簡単! 食べるラー油煮干し」の完成です。これもお酒に合いすぎます

 

アクセントのピーナッツもいい感じです。

この食べるラー油煮干し、辛いんだけど、とにかく後引くうまさとしか説明できないのがもどかしい。

とにかく美味しい。ああ、最高。

これだけでレモンサワー2杯は飲めます。

 

煮出した昆布も煮物仕立てに

f:id:kinmasataka:20210603120508j:plain

昆布は刻んで、酢醤油で甘く煮詰めました。

煮物仕立てですね。これもまた酒が進むやつだから。ハイボール2杯はいけます。

 

f:id:kinmasataka:20210522125337j:plain

私が酒を飲んでる間に、スープが出来上がっています。

味見すると、口いっぱいに、豚やら魚介やら、複雑なうま味が広がる。

これは、うん、うまい。このスープだけでも酒が飲めそうですが、先は長いのでちょっと堪えてと。

 

f:id:kinmasataka:20210522201043j:plain

▲鶏油です

 

突然ですが、ラーメンのスープを構成する3つの要素ってわかりますか?

スープ、たれ、とあと一つはなんでしょう。

 

正解は「油」です。

 

油が入ることで、ひと口めの柔らかな口当たりが生まれ、最後までうま味の余韻が残るんです。

というわけで、その油の要素として私はオリジナルの鶏油(チーユ)を入れます。

鶏皮をフライパンで熱したら出てくる油に、刻んだネギを入れ軽く焦がしたら完成なんですが、『メシ通』にあったレシピ記事を載せておきます。

 

www.hotpepper.jp

 

ちなみに、こちらの鶏油はもちろんサラダ油でも代用できます。

サラダ油に刻んだネギを入れて、焦がしたらオッケー。さっぱりだけど香ばしくておいしいですよ。

 

おつまみにチャーシューも

f:id:kinmasataka:20210522200717j:plain

30分ほどつけだれに漬け込んだチャーシューの味見をします。

どれどれ。

そう思った次の瞬間には肉がなくなっているから気をつけてください。

これはうまい。

先ほどもお伝えしたように、肉に対して、魚と昆布、鶏がらのうま味が重なって、ただのチャーシューを超越した一品料理に昇華しているのです。

ぽっちゃり体型の私にとってデザートですね。

おかげさまで、このチャーシューだけでホッピー2セットはいけます。

 

さて、そろそろメインの完成です。

 

そして自宅ラーメンが完成した

【自宅ラーメンの材料3】麺とトッピング

  • 太麺 2玉
  • のり 1枚
  • ゆでたまご 1/2
  • ねぎ みじん切りしたもの 適量
  • 先ほどのチャーシュー 適量
  • 鶏油 適量

f:id:kinmasataka:20210522201546j:plain

もっちり系が好きな私は、スーパーでつけ麺に使う太麺を買ってきました。

麺をパッケージの指定時間どおりに茹でたら、チャーシューのつけだれ、スープを1:4くらいの割合で器で混ぜておきます。

湯切りした麺を器に入れ、最後に油を軽く回しかけ、トッピングをのせて……完成です! うまそう!  私はこの見た目にうっとり。

 

酒ではなく見た目に酔っているんです。さあ実食です。

 

f:id:kinmasataka:20210522202342j:plain

見てください。左後ろのメダカ、可愛いですよね。

メダカを愛でながら、煮干しを美味しくいただくことに若干の後ろめたさを感じながら、ラーメンをいただきます。

途中工程で生まれたつまみを肴にバンバンお酒を飲んでいたので、わずか1時間ですっかり出来上がってしまいました。

おかげさまで自宅で「締め」のラーメンを楽しめるとは思いませんでしたよ。

 

うま味たっぷりのスープをひと口。

煮干しが強く主張していて、醤油だれとよくあっていますね。スープがうまければラーメンは8割成功していると言っていいでしょう。

麺を啜るたび、幸せな気持ちになります。

あー、うまい! 端的に感想を言うなら、わずか1時間でできる味とは思えない。

これに尽きます。

 

このスープだけでもお酒がすすむ

f:id:kinmasataka:20210523075710j:plain

こちらのラーメンには、ビール、あるいはハイボール、レモンサワー、ホッピー、つまりなんでもお勧め。

スープは一滴も残したくないくらいのうまさですが、健康的観点から我慢我慢。

だけど、やっぱり名残惜しい私は、スープに海苔をひたしながら、それをつまみに酒を飲みますよ。これが楽しいんです。

よかったらお試しください。

 

 

翌朝。やっぱり二日酔いでした。

ということで、残ったスープに、白だしを入れて、お腹に優しいお椀としていただきました。最後まで楽しませてくれてありがとう。

ラーメン、これからも作り続けていきます。

書いた人:キンマサタカ

キンマサタカ

編集者・ライター。パンダ舎という会社で本を作っています。 『週刊実話』で「売れっ子芸人の下積みメシ」という連載もやっています。好きな女性のタイプは人見知り。好きな酒はレモンサワー。パンダとカレーが大好き。近刊『だってぼくには嵐がいるから』(カンゼン)

過去記事も読む

トップに戻る