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レイカーズが事故後初の試合でコービー・ブライアントを追悼、レブロン・ジェームズは「あなたは生き続ける」

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LeBron James Los Angeles Lakers honor Kobe Bryant

1月31日(日本時間2月1日)にステイプルズ・センターで行なわれたポートランド・トレイルブレイザーズ対ロサンゼルス・レイカーズの一戦は、デイミアン・リラードが48得点、9リバウンド、10アシストを記録し、ブレイザーズが127-119で勝利した。コービー・ブライアントと娘のジアンナがヘリコプター墜落事故で亡くなり、ロサンゼルス・クリッパーズとの試合が延期になったレイカーズにとっては、事故後初の試合だった。

試合前には、歌やハイライト映像、レブロン・ジェームズのスピーチといった追悼セレモニーが行なわれた。歌手のアッシャーが『アメイジンググレイス』を歌い、ブライアント本人の言葉がナレーションのハイライト映像が流された。

事故の数時間前にブライアントの通算得点記録を抜き、電話で祝福されていたレブロン・ジェームズは、マイクを受け取り話し始めたが、途中でスピーチのために準備していたメモを捨てた。心からの言葉で話したかったというジェームズは、最後に「コービー・ブライアントの言葉によれば『マンバ・アウト』(さようなら)だ」と述べている。

「だが、僕たちの言葉にすると、『忘れることはない』だ。ブラザー、あなたはこれからも生き続ける!」。

【動画】レブロン・ジェームズ コービー・ブライアント追悼スピーチ| 2020.1.31

ブライアントの人生と、バスケットボール界にもたらしたインパクトを称える試合前のセレモニーでは、レイカーズやブレイザーズの選手たち、会場の多くの人々が涙を流して故人を悼んだ。

選手紹介の場内アナウンスでは、選手全員がブライアントのジャージーを着用していたレイカーズのスターター5人が全員「背番号24、6-6(6フィート6インチ=198cm)ローワー・メリオン高校出身の20年目、コービー・ブライアント!」と紹介された。

【動画】コービー・ブライアント追悼セレモニー| 2020.1.31

試合が始まると、両チームは24秒バイオレーションと8秒バイオレーションで改めてブライアントを追悼。その後、選手たちは悲しみをこらえながら懸命に戦った。目を赤くして試合に臨んだアンソニー・デイビスは、第1クォーターだけで18得点を記録。カリフォルニア生まれのリラードは、第3Qに6本の3ポイントショットを沈め、23得点をあげた。

第4Qにレイカーズが12点のビハインドを背負うと、会場から「コービー! コービー!」とチャントが起き、チームは連続9得点で一時3点差まで詰め寄った。

ブライアントがあこがれだったクイン・クックは、セレモニーで感情を露わにし、ジアンナ(2)とコービー(8)の番号を組み合わせた背番号28のジャージーを着てこの試合に臨んだ。

試合中も、プレイが止まるたびに、会場にブライアントのハイライト映像が流された。

試合後、ジェームズは「今夜は全員が感情的だったと思う」と語っている。

「どうして感情的になるのか、僕ら全員にそれぞれの理由がある。そして、僕たちみんなが兄弟愛や家族愛を感じている。レイカーズという球団の一員だからね。それだけでより感情的になるんだ」。

フランク・ボーゲル・ヘッドコーチは「難しい試合になることは分かっていた」と述べた。

「負けたくなかったが、今週はバスケットボールよりも人生のことだった。仕事に集中し続けなければならない」。

ブレイザーズのリラードは、7本の3Pを決め、5試合で40本の3PというNBA新記録を樹立した。だが、「今夜の試合で僕らを勝者と感じる者はいないと思う」と話している。

「ただ悲しく、つらい。競わなければならないのは良かった。チームの勝利はポジティブなことだ。でも、この状況、この瞬間は誰も勝者ではないと思う」。

ブレイザーズのテリー・ストッツHCは「追悼やレブロンのスピーチでの彼らを見ても、レイカーズにとってタフな試合だったのは分かっている。彼らにとって試合をするのは難しいことだっただろう」と語った。

「両チームにとって難しいことだったが、我々には5日間、2試合という悲しみをやり過ごす時間があったからね」。

3連勝のブレイザーズ(22勝27敗)は、ハッサン・ホワイトサイドが30得点、13リバウンド、5ブロック、CJ・マッカラムが19得点をマークした。

一方、2連敗のレイカーズ(36勝11敗)は、デイビスが37得点、15リバウンド、5ブロック、ジェームズが22得点、8リバウンド、10アシスト、カイル・クーズマが17得点、15リバウンドだった。

ボックススコア​


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NBA日本公式サイト『NBA Japan』編集スタッフ