Chrome91がダブルタップズームの禁止条件を追加。FIDが良くなるサイトあり

[レベル: 上級]

Chrome 91 が FID の取得方法を変更しました。
この変更により、FID のスコアが改善するサイトが出てくると予想されます。

ダブルタップズーム禁止の条件を追加

スマホでダブルタップするとズーム(画面の拡大・縮小)ができるサイトとできないサイトがあります。
これまで Chrome では、次のいずれかの場合にはダブルタップズームできないようになっていました。

  • ズームを禁止している(min-zoom と min-zoom が等しい)
  • viewport の横幅にコンテンツが収まっている

Chrome 91 では加えて、ページの viewport meta tag が次のどちらかの設定の場合にもダブルタップズームできなくなりました。

  • width=device-width
  • initial-scale が 1.0 以上

Chrome 91 の安定版は 2021 年 5 月 25 日にリリース済みです。

FID スコアが良くなるサイトあり

ダブルタップズームは FID に悪い影響を与えることがあります。
Chrome でダブルタップズームができなくなったページが増えた結果、FID のスコアが良くなるサイトが出てくると予想されます。

実際に、BigQuery 用の CrUX 集計データでは FID が良好なサイトが増えています。

※5 月は約 841.1 万サイトの集計、6 月は約 841.6 万サイトの集計

良好なサイトのパーセンテージが約 3 ポイント増えました。
Chrome 91 での FID 取得方法が変わったことだけが理由ではないでしょうが、スコア改善には少なからず影響していると考えられます。

あなたのサイトもひょっとしたら恩恵を受けているかもしれません。

この記事では、FID の取得方法の変更を紹介しましたが、CLSLCP でも過去に取得方法が変わっています。
どの変更も、サイト側の設定とは関係なくスコアが改善することがありえます。

このように、コア ウェブ バイタルの定義や取得方法を Google は継続して改善しています。
僕たちにとって利益になる改善なら大歓迎ですね。