とんかつ・ナポリタン・ピラフの圧倒的存在感…!大船「パタタ食堂」のトルコライスは夢のようなリッチさ

長崎の郷土料理をいただける「パタタ食堂」(神奈川県横浜市栄区笠間2-6-11)を紹介します。特にオススメなのが「トルコライス」。とんかつ、ナポリタン、ピラフというメイン級の3品が一皿に盛られた、いわば「大人のお子様ランチ」的なメニューです。ほかに長崎・佐世保名物「レモンステーキ定食」もいただけます。レモンのおかげでさっぱりとした味わい。残ったソースにフライドポテトやご飯を浸して食べると最後まで美味しくいただけますよ。こちらの店主は長崎出身で、長崎ちゃんぽんや皿うどんといったメニューもあります。パタタ食堂で長崎名物を堪能したら、鎌倉や江の島へお出かけするのも良いですが、大船観音寺で大きな観音像を眺めるのも楽しいですよ。(大船のグルメ洋食・西洋料理

とんかつ・ナポリタン・ピラフの圧倒的存在感…!大船「パタタ食堂」のトルコライスは夢のようなリッチさ

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「トルコライス」という食べ物をご存知の方も多いと思う。一般的には長崎の名物とされている。ピラフ・ナポリタン・とんかつが三位一体となった料理である。

 

その名前の由来は、「トルコ料理に似たものがある」「トリコロールが訛ったものである」……など、諸説あってどれが正しいと断定することは難しい。

ただ、「トルコライス」という文字列から「楽しくておいしい」というイメージを多くの人が想起するからこそ、この名前が伝播し定着したはずで、たしかにトルコ料理は世界三大料理のひとつに数えられるし、西洋文化と東洋文化が混じり合ってもいて、旅行先としても人気がある。そんな国と同じ名前がついていたら、たとえトルコでは事実として豚肉を食べる習慣がなくてトルコライスが供されることがあり得なかったとしても、「トルコライス=最高」と思ってしまうだろう。

 

わたしがはじめてトルコライスに出会ったのは、長崎のすてきな内装の純喫茶。こんな夢みたいな場所で夢みたいな味……と思ったものだが、旅から戻って、「あの味を」と思っても、ピラフはピラフ、ナポリタンはナポリタン、とんかつはとんかつ、と、別々にいただくことはできても、三位一体になっているトルコライスがおいしい店がとても少ない。長崎名物といっても、長崎でしか得られない食材が使われているわけでもないので、理論的には、東京でもどこでも提供可能なはずだが、なかなか名店に出会えない。その理由はわからなくもない。ピラフ、ナポリタン、とんかつを適切なタイミングで少しずつ作って盛りつけるのが飲食店としてはけっこうな負担なのだろう。

 

いや、でも、食べたいものは食べたい……とネットの海を探し回って発見したのは、神奈川・大船にある店だった。

大船といえばJR東海道線と湘南モノレールが交わる駅で、住むにはよいとしても、観光地のイメージはあまりないかもしれない。しかし、このあと紹介する大船観音は近くで見ておくと気分がスッキリするし、鎌倉や江ノ島に観光に行くとき、現地で観光客向けのランチをいただくのではなく、さっと途中下車して大船でいただくことにしたらとても楽しい。

 

今回紹介する「パタタ食堂」は、長崎料理の店で、トルコライスを筆頭に、おもに長崎料理を供するお店である。

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大船駅から歩いて10分、工場と団地の間の道を歩く。この先に店がある感じがしないところがいい。

 

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外観はかなりアットホーム……というか、家そのもののように感じられて期待が高まる。

 

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そして入店する前から看板の説明に釘付け。メニューひとつひとつに説得力があり、「何を食べようか」と迷ってしまう。

 

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お店の中もアットホーム。

開店直後に伺ったので人のいない写真が撮れたが、しばらくすると地元の方で大賑わいだった。

 

入口でトルコライス(1,080円)の食券を買って着席し、しばらく待つとご本尊が登場。

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これやで……。

夢のようなビジュアル。

トルコライスが「大人のお子様ランチ」と呼ばれる理由がよくわかる。

 

このお店のトルコライスのすばらしいところはいくつもあるが、まず、ナポリタンの比率が高い。

トルコライスもいろいろあって、お店によってはナポリタンが添え物的な扱いになっていて、トルコライスというより、洋風カツ丼withナポリタンになっている場合もあるが、このお店は、ほぼピラフと1:1になっている。ごはんとパスタを両方満足するまで楽しみたいと思う人にはうってつけである。

 

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よく見ると、あらかじめパルメザンチーズがかけてあって王様気分だし、ケチャップの色も濃い。なお、サラダ部もかなりのボリュームである。

 

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そして、途中の状況を撮影するのは遠慮したのだが、ピラフ→ナポリタン→とんかつの順で作ってくれるところもうれしい。

トルコライスの要素の中で最も作りたてであることが要求されるトンカツの仕上がりのタイミングで供されるのである。

 

とはいえ、ナポリタンもピラフも、「絶対に添え物にはならない」という強い決意のもとでリッチな味付けがしてあって、全員がリーダー並みの存在感。ピラフ・ナポリタン・とんかつの三者がおいしさの均衡を保っているトルコライスだった。

 

 

その日はおなかも心もいっぱいになって大船をあとにしたのだが、トルコライス以外に気になったメニューがあったので、後日また伺った。

 

気になっていたのはレモンステーキ定食(1,300円)。

レモンステーキは佐世保の名物で、レモンのソースのさっぱりした味わいと、そのソースwith肉汁をごはんと混ぜて食べるというスタイルで知られる。

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薄く切ってあるステーキ、中はレア。つけあわせにフライドポテトがついていて、もちろんこれも揚げたてである。

 

ステーキはレモンとの相性がよすぎて、驚いてたちまち吸いこむように食べてしまった。

 

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そして残ったソースwith肉汁の処遇だが、よく高級なハンバーガーの店でするみたいに、フライドポテトをまず浸していただいたら、ぜいたくな味だった。

 

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この時点でかなり満たされたのだが、念のため、ごはんを上に載せて混ぜていただくと、肉汁のついたごはんにさらにレモンの味が加わるだけで、こんなにおいしくなるのかと驚いた。

たしかに、お寿司のシャリという前例があるが、「酸っぱい味のごはん」に普遍的なおいしさがあることを実感した。

同じ佐世保名物のハンバーガーを日本人向けにローカライズするとこうなるのかなと思う。「レモンステーキ」という文字列から想像されるおいしさをはるかに上回る味で驚いた。

 

 

このお店、地元の人にかなり愛されているので、なるべく開店直後の11時~11時半くらいにおじゃまするのが望ましい。さっといただいて、午後に江ノ島というプランもいいが、もし、鎌倉や江ノ島に行く道中で、「大船駅になんか大きくて白いものがあるな」と気になっていた人は、これを機会に大きくて白いもの、またの名を大船観音に接近してみるのもいいかもしれない。

 

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駅のデッキから見た大船観音も、電車の中から見る姿とだいたい同じで、「まわりはどうなっているのだろう」と思う。

 

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小高い丘をのぼって大船観音寺に入ると、すぐにご対面できる。やはり上半身しか作られていないが、小高い丘の上にあることから、市民の暮らしを見守ってくれている感覚になり、未完成であるという印象はない。巨大仏についていえば、下半身なんて飾りなのかもしれない。

 

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電車の中からは横顔しか見えないが、正面から見ると意外にふくよかである。

 

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せっかく接近したのだから、頭の上に鎮座している仏様も観察しておきたい。

 

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なお、裏側から中に入れるようになっている。中には平和を祈念する千羽鶴がみっしりと供えてあり、さらにマトリョーシカのごとく、木製の大船観音が鎮座していて必見である。

 

……と歩きまわっているうちに、いい時間になってしまった。

 

 

パタタ食堂、今後鎌倉や江ノ島に行くときは途中下車必至だし、道中で心が長崎に飛んでいってしまいそうな名店だった。

 

紹介したお店&スポット

パタタ食堂
住所:神奈川県横浜市栄区笠間2-6-11
TEL:070-6464-9283
公式HP:http://www.patata.shop/

 

大船観音寺
住所:神奈川県鎌倉市岡本1-5-3
公式HP:http://www.oofuna-kannon.or.jp/

 

著者プロフィール

著者 ココロ社
ライター。主著は『マイナス思考法講座』『忍耐力養成ドリル』『モテる小説』。ブログ「ココロ社」も運営中。 

ブログ:ココロ社
Twitter:ココロ社 (@kokorosha) | Twitter

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