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メルカリが手放した「メルチャリ」、別会社のもとで「チャリチャリ」に名称変更 福岡市内でエリア拡大へ

» 2020年03月25日 16時23分 公開
[ITmedia]

 ベンチャー企業のneuet(ニュート)は3月24日、2019年夏にメルカリから事業承継したシェアサイクルサービス「メルチャリ」の名称を、4月1日から「Charichari」 (チャリチャリ)に変更すると発表した。名称変更の理由は「新体制で一層の発展を目指すため」で、今後は新ブランドでエリア拡大を進めていくという。

 ブランド名の変更後も、料金体系や利用の仕組みに変更はないが、入れ替えが完了するまでは旧ブランドのロゴが入った自転車を一部で使用する。

photo 新ブランドのロゴ

 neuetは「チャリチャリは、肩肘張らず口にしやすく、移動手段として真っ先に思い出せて、世代や言語を問わず発音できること、そして流行に左右されずに公共交通として存在していくことを目指し、その名をつけました」と説明している。

メルカリは「経営資源の集中」を理由に撤退

 メルチャリは、メルカリ子会社(当時)のソウゾウが18年2月に福岡市でスタート。公募に採択され、福岡市との共同での実証実験となった他、期間限定で東京都国立市でも展開。19年5月には、1カ月間の利用回数が約12万回に達した。

 だが、親会社のメルカリが、フリマアプリの米国事業や決済事業に注力している影響などから、19年6月に「経営資源の集中」を理由に事実上の撤退を表明。他社が約9割、メルカリが約1割を出資する形でneuetを立ち上げ、メルチャリ事業を移管するとともに、ソウゾウを解散すると発表した。これにより、同事業の運営会社はメルカリの連携対象から外れた。

 neuetは事業承継後もメルチャリブランドを維持し、福岡市内限定でシェアサイクルを展開。これまで未対応だった電動タイプの自転車の開発に着手した他、20年3月にはポート数を累計260カ所に拡大した。20年4月からは、再び福岡市との共同事業となることが決まっている。

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