米ウーバーが上場申請、ソフトバンクGが筆頭株主
【シリコンバレー=白石武志】米ライドシェア最大手のウーバーテクノロジーズは11日、米証券取引委員会(SEC)に新規株式公開(IPO)を正式に申請した。米メディアによると上場時の時価総額は最大1000億ドル(約11兆円)になる見込みで、米国で今年最大の上場案件となる。提出書類からはソフトバンクグループ(SBG)が現在の筆頭株主であることも判明した。
上場先は米ニューヨーク証券取引所で、時期は5月となる見通し。公募売り出し価格(公開価格)などの条件は投資家向け説明会などを経て上場直前に決定するが、米メディアの間では上場時の時価総額は900億~1000億ドルになると報じられている。3月29日に上場した米ライドシェア2位のリフト(上場初日の時価総額は約200億ドル)を上回り、米国のIPOで今年最大規模となる。
ウーバーは申請書類の中で、現在の筆頭株主は関連会社を通じて16.3%を出資するSBGであると明記した。第2位株主は米有力ベンチャーキャピタルのベンチマークキャピタルで出資比率は11.0%。米グーグルの持ち株会社アルファベットが関連会社を通じて5.2%を出資していることも明らかにした。
また、ウーバーの投資先としては、中国のライドシェア最大手、滴滴出行に15.4%を出資していることも分かった。同社にはウーバーが16年に中国市場から撤退した際に事業を売却した。
申請書類によると、ウーバーの2018年12月期の売上高は前年同期比42%増の112億7000万ドル、最終損益は9億9700万ドルの黒字(前年同期は40億3300万ドルの赤字)だった。売上高の伸び率が2倍を超えていた1年前に比べて成長が減速する中で、ウーバーの企業価値を株式市場がどう評価するかが焦点となる。
ウーバーは10年に米国でライドシェアのサービスを始め、現在は世界700を超える都市に進出。料理宅配や貨物トラックの配車サービスなどを展開するほか、空飛ぶタクシーの実用化に向けた研究開発も手掛けている。お膝元の米国のライドシェア市場では7割近いシェアを握るものの、17年には社内セクハラ隠蔽などの不祥事が相次ぎ発覚。近年は競合の米リフトにシェアを奪われるようになっていた。