「にんにく入れますか?」
お店でそう聞かれたら、みなさんどうされますか?
自分は「できれば入れたい派」。ラーメン・餃子にイタリアン……ガッツリとニンニクが入っていたほうがうまいに決まってるじゃないですか。
しかしですね。そうはわかっていても翌日の臭いが気になって休日の前日じゃないと思いきり食べられないのも事実。
そんな風に思っていたところ、飲み友達から「中野にあるにんにく専門店のにんにくは、翌日あまり匂わないにんにくを使っているらしいよ」とのタレコミが。
ならば行かねばとさっそくにんにく料理専門店「NAKANO HAJIMENO IPPO」へ。
来店したのは中野の線路沿いの道をJR中野駅北口から新宿方面に数分のところ。
ちょうど桜が満開の季節、桜と吊るしたにんにくが出迎えてくれました。
にんにくにこだわって24年のお店が使う「ブランドにんにく」とは
店主の中山さんにお伺いします。
── お忙しいところすみません! 評判を聞いてやってきたのですが、こちらのお店はどのような経緯でオープンされたのですか?
中山さん:神楽坂に本店「GARLIC DINING HAJIME NO IPPO」と、姉妹店「Hajimenoippo 2(はじめのいっぽ セカンド)」がありまして、すでに24年間にんにく料理専門店として営業しています。私は3年ほどそちらで勤務した後、2018年の5月にオープンした中野店をオーナーから任せていただきました。
── 3店舗とも同じコンセプトなのでしょうか?
中山さん:にんにく料理専門店という部分は共通ですが、各店それぞれメニューで個性を出しています。ガーリックトースト、ガーリックライス、ガーリックシュリンプなど、にんにくと聞いてすぐにイメージするものはもちろん、旬の野菜や魚介などとの組み合わせもありますよ。
▲ガーリックトースト(432円)
── 神楽坂と中野では客層が違うと思うのですが、中野店ならではのメニューはありますか?
中山さん:中野店はガーリックステーキなどをメインにボリュームのあるメニューにも力を入れています。 その他にもにんにく酒やにんにくデザートなど、専門店でなければ食べられないメニューをぜひ味わっていただきたいですね。
▲このようにお店のメニューはにんにくだらけ!
── なるほど。次の日に臭いが残りにくいにんにくだとお聞きしましたが、どんなにんにくなのでしょうか?
中山さん:にんにくといえば青森県が日本一の生産量です。全国の約7割近い出荷量で、その中でも質が良いとされている青森県天間林産のにんにく「福地ホワイト六片」のみを使い、大きさも2Lサイズという通常より大きなものだけを取り寄せています。 色が白く、1片が大きくて表面に張りがあり、実も引き締まっていて独特の甘みをもっているのが特徴です。
── たしかにかなり大きいにんにくですね!
中山さん:はい。私はこちらのにんにくに目が慣れてしまっているので、スーパーで普通のにんにくを見ると妙な感覚になります(笑)。
── 「福地ホワイト六片」自体が匂いを抑えた品種なのでしょうか。
中山さん:「福地ホワイト六片」すべてがそういう訳ではなく、当店で仕入れているものはそのなかでもマイルドにんにくと呼ばれる「低臭加工」が施されたものです。体質等により個人差がありますが、にんにく特有の食後の不快臭が気にならない品種のため、こちらを提供させていただいています。
── お店に届く前にも一手間入っているんですね。
中山さん:調理の際も、低温でじっくりと火を通して甘みとうま味を引き出して臭いをたたせないようにしています。 生で使用する際は刺激が強くなりますので、基本的にカルパッチョのソースなど部分的なアクセントを限定的に使う程度にとどめています。
── 素材だけでなく調理法にも気を使われているんですね。ちなみににんにくの旬というのはいつ頃なんでしょう?
中山さん:「福地ホワイト六片」の収穫時期は6月下旬から7月前半。収穫したものを乾燥させて低温の貯蔵庫に保管して通年流通させています。通常、お店では乾燥させたものを使用していますが、収穫時期に限り、農家さんに直接収穫を手伝いに行って、根とネギのような葉がついた生にんにくをそのまま仕入れています。
── そうなんですか。その生にんにく、そそられます!
中山さん:この時期のにんにくは乾燥していないので非常にみずみずしいです。本来であれば生産地でしか味わえないにんにくなので、旬の時期だけの限定メニューとして提供しています。
(写真提供:HAJIME NO IPPO)
── それは貴重ですね! いちど食べてみたいです。
中山さん:ぜひ味わってみてください。時期が近くなりましたらホームページなどで告知します。
まるでスイートポテトみたいな「にんにくの丸揚げ」
いよいよ実食。この大きさ。このツヤ。たまりません!
まずはこのお店の名物メニューでもある「にんにくの丸揚げ」からいただきます。「福地ホワイト六片」を、まるごとじっくりと低温で揚げていきます。
▲にんにくの丸揚げ (842円)
一粒一粒が大きい!
薬味は「塩とごま油」「仙台赤味噌を赤ワインと蜂蜜で煮詰めたソース」「柚子唐辛子」の3種類。まずはシンプルに何もつけず頬張ってみます。
すると、これが本当ににんにくかと驚くほどねっとりとした甘さが口の中で溶け、コクが広がります。
なんだろう……まるでスイートポテトみたいな食感です。
自分は仙台赤味噌がさらに味に深みが出て一番好みでした。
お酒が欲しくなっちゃいます。
▲にんにく酒 (734円)
オリジナルガーリックドリンクとして、にんにくを白ワインに漬けてつくった「にんにく酒」を。生ニンニクの香りがピリッと効いた特徴的な味。
にんにく好きにはたまりません。
ガーリックステーキは煮詰めたにんにくと揚げにんにくの合わせ技
熱々の鉄板の上で煮詰めたにんにくソースを回しかけ、さらに仕上げの揚げにんにくをふりかけます。見ているだけでよだれが……。
▲牛ハラミガーリックステーキ (200g/2,138円)
店長オススメの看板メニュー。
柔らかな牛ハラミ肉を、煮詰めたにんにくが入ったソースでいただきます。
ふりかけた揚げにんにくの香ばしさと甘みのあるにんにくソースが絡み合う肉肉しい味わい! このソース、付け合わせの野菜にもしっかり味が染みてじっくりと味わえます。
▲にんにくレモンスカッシュ (626円)
にんにくを蜂蜜とレモン汁に漬けたものをソーダで割った、オリジナルガーリックドリンク。爽やかな甘さのなかにも、しっかりとしたにんにくの風味が感じられます。
▲自家製にんにくのアイスクリーム (518円)
牛乳で臭みを抜いて甘く煮詰めたにんにくは、まるでマロングラッセのよう。
トッピングのにんにくだけでなく、細かくしたにんにくをバニラアイスに練りこんだ驚きの一品です。スッキリした味わいでありながら、甘みのあるつぶつぶしたにんにくがアクセントになった個性的なスイーツ。
これ以外のデザートにはにんにくを使っていませんが、どれも消臭効果がある食材を使用しているこだわりよう。ヨーグルトや牛乳などの乳製品はタンパク質が臭いを分解し、またチョコレートもポリフェノールが同様の働きをするそうです。
店内にはにんにくクイズが出題されています。
全問正解すると景品がもらえて、にんにくについての豆知識が学べます。
自分はなんと全問正解! インタビュー取材の成果ですね。
この日の景品は「ペヤング塩ガーリック焼きそば」と最後までにんにくづくし。
中野のパワースポットでしっかりスタミナ注入できました。
お店情報
にんにくバル ザ・ガーリック中野 ※NAKANO HAJIMENO IPPOより店名変更
住所:東京都中野区中野5-32-5 神谷ビル102
電話番号:03-5942-6505
営業時間:月~木・日18:00〜23:00 金・土18:00〜23:30
定休日:不定休
書いた人:BLObPUS
オリジナルキャラクターの怪獣フィギュア「BLObPUS(ブロッパス)」をリリースしたのをきっかけに活動開始。国内外のフィギュアイベントに参加しつつ中央線沿線を飲み歩く怪獣おじさん。蓄光素体にメタリックカラーを基調とした独特の色使いで彩色にも定評がある。