米国以外で成長するPinterest、勢い増すD2Cパーソナライズ導線の鍵となるか

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ピックアップPinterest jumps after beating expectations

ニュースサマリー:画像検索エンジンPinterestは1日、第2四半期の決算報告書を公開した。同資料によれば、Q2における同社売り上げは62%(YoY比)増で、月間アクティブユーザー数は30%(YoY比)増となった。第2四半期の間で300万人が増加したことになる。

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米国の国内におけるMAUのYoY増加率は13%で85万人増。これに対しグローバル市場では38%の伸び率で215万人増と、北米以外での利用者数増が同社の成長を牽引している。また、APRU(ユーザー当たりの平均利益)は米国にて2.80ドルを記録しているのに対し、グローバルでは0.11ドルと抑え気味の結果となった。ただ、YoY成長率で米国市場が41%、グローバル市場が123%と3倍ほどの開きがあることにも注目したい。

話題のポイント:日本での知名度は高くとも、インスタグラム的感覚で利用者がいるような雰囲気がない画像検索がPinterestです。一方、今回発表されたPinterestの公開資料を見ると、グローバル市場でのユーザー数成長率・平均利益率が順調に増加していることがわかります。

これは日本のように、プライベートでもビジネスでも利用される機会が少なかったかもしれない諸外国がPinterestの有用性に気が付き始めている(言い換えればPinterestがグローバル市場にアプローチしだしている)と言えるかもしれません。

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特に注目したいのが世界規模でのコマースの伸びです。

同資料の「Q2 2019 Other Highlights」セクションでは、同社が考えるグローバルに市場が成長している要因に3つのポイントを次のように挙げていました。

  1. 広告のローカライゼーション(Internationalization of our ads business)
  2. 小規模ビジネスへの最適化 (Simplifying our ad systems for smaller businessese)
  3. 広告分析ツールの最適化(Improving advertisers’ ability to measure the effectiveness of their ad spend)

実際、6月30日に同社は新機能としてパーソナライズ化されたショッピング画面とカタログを表示させる機能を追加しています。これによってユーザーエクスペリエンスはもちろんのこと販売側にとっても、収益性の向上になるとしています。

また、新機能リリースと共に公開したブログによれば、Pinterest上に出品されたリテールブランドは2倍以上もの収益獲得(Pinterstに支払った広告費用から比べて)に成功している、と統計を発表しています。

近年ではD2C領域におけるアパレルを中心とした、オリジナリティー性を持つ商品の需要が増えてきています。例えばスーツケースの「Away」。彼らもパーソナライズ化された商品を求める若者向けにデザイン・マーケティング戦略を考えています。

<参考記事>

パーソナライズにおけるイメージでの広告導線は、デザイン性が個性的になればなるほど重要性が増してきます。テキストではどうやっても「見た目」の差別化は難しいからです。そういう視点からも、今後このプラットフォームがどのような成長を遂げるのか注目しています。

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