【石川】初心者多数の秀才軍団・金沢大付が23年ぶり1勝 次戦は王者・星稜に挑戦「1点取ったら全国ニュース」

スポーツ報知
号泣して抱き合うバッテリーを中心に歓喜の輪を作った金沢大付ナイン

◆第101回全国高校野球選手権石川大会 第5日 ▽2回戦 金沢大付5―4金沢二水=延長10回=(16日・石川県立野球場)

 石川県随一の進学校・金沢大付が、金沢二水を延長戦の末に下し、1996年大会以来23年ぶりの白星を挙げた。21日の3回戦で、一昨年秋から石川県大会5季連続優勝中の星稜と対戦する。

 勝利の瞬間、まるで甲子園出場を決めたかのような歓喜の輪ができた。1―2とリードされた9回表に2点を奪い逆転したが、9回裏2死走者なしから同点に追いつかれた。延長10回表に3連打で2点を勝ち越すと、10回裏の金沢二水の反撃を1点に抑えて逃げ切った。勝って校歌を歌うことは想定していなかったため、主将の二宮聖夢三塁手(3年)は「歌いながら『めっちゃずれてるな』と思った」と苦笑した。

 エース右腕・中田晴登(2年)は、終盤に足がつりながらも10回160球を投げ抜いた。勝利を決めるとナインと抱き合い号泣。「予想通り足がつってしまってどうなるかと思ったが、応援してくれた人のことを思い浮かべると体力以上の限界まで出せた。試合中から泣いてしまいました」と目を真っ赤にして喜びをかみしめた。

 部員は16人。1年生6人のうち3人は、高校入学まで一度も野球をしたことがない。2年生部員も、陸上部、演劇部、バドミントン部、テニス部などから転部してきた野球初心者がずらりと並ぶ。

 そんな進学校の秀才軍団が、王者・星稜に挑む。試合後は早速円陣を組み、ホワイトボードに「対星稜」と書いて対策を話し合った。4番の岡田健太郎捕手(3年)は「星稜から1点取ったら、全国ニュースですよね。バットに当たれば、金属なので少しは飛んでいく。楽しく明るく元気に戦って、いい青春を終わりたい」と目を輝かせた。

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