毎年恒例となっているPUBCONラスベガスに今年も参加して参りました。

今年はBOSSが不参加で、サクラサクとしては、根岸の単独参加となり、ファベルカンパニーの皆様とご一緒させて頂きました。

古澤さん、鈴木さん、月岡さん、白瀧くん、中本くん、誠にありがとうございました!

さて、今回で、9回目の参加となりますが、毎年、市場、Googleと変化していることも当然ですが、我々の組織課題も毎年変わっている為、新しい発見や気づきがあります。現事業でそのままアクセルを踏むのか、別事業へハンドルを切るのか。

セッションの内容はもちろんですが、一緒に参加している経営者やSEOのエキスパートの皆様の言動からも、経営判断の参考になります。
3日間のレポートを簡易的ではありますが、まとめましたので、少しでも参考になれば幸いです。

※詳細情報はサクラサクラボ公式ツイッターにて情報展開をしましたので、 是非、こちらもチェックください。

https://twitter.com/sakurasakulabo

■PUBCON‐2019 サマリー---------------------

今年のセッションで話題となった大きな潮流としては、下記4点であったと思う。

・EATの重要性の増長
・検索結果の多様性と0クリック問題
・音声検索に伴うSEOの変化
・ローカルSEOの重要性の増加


◇EATの重要性の増長

品質評価ガイドラインにEATという文字が出現してからもう随分の月日が経つが、2017年のフレドアップデート以降、テクニカルSEOの範囲内では説明のつかない変動が激しくなってきている。


 

特に2019年に発生した3月、6月、9月のコアアルゴリズムアップデートにおいても、YMYL関連のキーワードの検索結果は大きく変動し、EATの重要性がさらに高まってきている。

Google自身は、各変動の順位変動に対して、
”順位が落ちてしまってももペナルティではないのでコンテンツを作ることに集中してほしい”
と言っているが、WEBマーケッターからすれば
”いかにEATを高めるか”ということにより関心が高まっている。

 

では、Googleは何をもって、サイト、ページのEATを判断し、逆に運営側はどうすれば、EATを高めることができるだろうか。

”GoogleはEATをページの様々なシグナルから判断している”
”もっとも有名なのが、ページランク。権威性の判断に使われている”


このことは非常に浸透しているが、その他の点としては、

■EATの評価手法(仮説)
・リンク(ページランク)
・著者、運営者情報
・レピュテーションデータ
・一次情報か否か
・情報の信ぴょう性&根拠の有無
・文法、誤字、読みにくさ
・httpsの有無 etc


このあたりのシグナルから判断していると考えられる。

海外の事例では、
・EATの低いサイトからのリンクを否認して、順位回復した事例
・レピュテーションのスクリーニングが順位上昇につながった事例
などもあるらしい。

逆にサイト運営者側としては、どんなことができるだろうか。
以前のように全てキーワードに対して、全てのサイトに公平にチャンスがある時代は終焉したといえる。

その為、まずは自社のことを徹底的に理解して、ブランディングメッセージを確立することが必要だと感じる。

1.なぜブランディングをするのか?
2.自分が何者で、誰にどんな価値提供をするのか?
3.自社の強みと弱みは何か?
4.ユーザーの自社に対する期待と不満は?
5.競合からみた時の自社のポジショニングは?
※ブランドメッセージは己を知るところから

自分たちが、どの領域で、どのユーザーに対して、ブランド認知をしていくのか?

どのキーワードで勝負するのか、逆にどのキーワードは勝負しないのか?

そして、自社でしか発信できないユニーク&オリジナル性が高く、ユーザーに役立つコンテンツを作っていくことが、結果的にはEATを高めるということにつながっていく。
※Googleからのコメントとして、EATやYMYLはあくまでもコンセプトであり、独自のアルゴリズムがあるわけではないとのこと。

◇検索結果の多様性と0クリック問題

0クリックという言葉が数年前より騒がれだし、今では、検索の50%が0クリックというデータが出ている。


これは、”検索結果の多様化””音声検索の増加”、この2点に起因している。




■検索結果の多様化
・フィーチャースニペット
・ショッピングカルーセル
・オープングラフ
・AMPカルーセル
・リッチスニペット etc
・Googleマイビジネス(GMB)


検索結果の中で、もはや自然検索結果は一部となっており、モバイルにおいては、さらに顕著になっている。

これからは、SEOではなく、”SERPマーケティング”が必要となっているといえるかもしれない。


 

サイト運営側はこの状態にあきらめるのではなく、Googleの検索結果の多様性に追従し、構造化データ、AMP、フィーチャースニペットなど新たな最適化やGMBの活用が求められている。またSERPsにおける画像の使用頻度の増加から、いかに注目される画像をSERPs表示できるか、画像、動画を積極的に取り入れることは、0クリック時代には刮目する必要がある。

◇音声検索に伴うSEOの変化

日本国内では、いまいち音声検索の重要性が高まっていかないと感じるのだが、米国では音声検索の増加に伴うユーザの行動変化の分析が非常に進んでいる。
2020年までに検索30%はスクリーンなしで行われ、50%が音声になると予想されている。米国では、”+near me”の検索回数が3年前と比較して1000%増加しており、0クリックが増加している背景には、音声検索の急激な伸びが起因している。

PC⇒モバイルへシフトにとどまらず、今後は、スマートスピーカーはもちろんカーナビ、家電など含めて、ポータブルデバイスとGoogleアシスタントが連動する時代は遠くなさそうである。そうなるとユーザーは検索して目的情報を見つけることから、対話をしながら、目的を達成する形への変化が予想される

サイト運営側はこの変化にどう追従すればよいだろうか。現時点で見えていると対策としては以下の2点が挙げられる。


・自社サイトのエンティティ理解の強化
⇒よりGoogleに自社サイトで発信している情報を構造データやタグを活用して、わかりやすく伝えることで、音声検索で採用を促す。

・Googleマイビジネス(GMB)への登録と運用
⇒ローカル検索と非常に音声検索は相性がよい。その為、GMBの登録、運用が、 将来的にはSEOにおいては不可欠になると考えられる。

◇ローカルSEOの重要性の増加

上記、音声検索の増加と検索結果の多様性に伴いローカルSEOの重要性がより高まっている。
0クリックが増えているということ、自社サイトに訪問しないユーザーと接触機会を増やす必要があるともいえる。

その意味でも、進化しつづけるGMBは今後、大きな可能性を秘めている。
現在、画像、動画、レビューがメイン機能だが、CTA,記事投稿、Q&A、オファーとどんどん機能が充実している。

GMBを運用することで、SERPs上で訴求効果はもちろんのこと、よりGoogleに自社のエンティティを理解させることができ、
GoogleMAP、音声検索などで拾われる可能性もあがるものと考えられる。

◇まとめ

今に始まった話ではないが、Googleは、『ユーザーに役立つコンテンツを作りなさい』と言い続けている。

SEOは”検索エンジン最適化”から”検索体験最適化”へなどと言われることもあるが、ページスピードやユーザビリティだけでなく、広義の意味で、ユーザーインテントを理解し、競合以上にユーザーを満足させることが求められる。

一方で、検索エンジン⇒アンサーエンジンと進化するGoogleのトレンドを考えれば、自社サイト内で完結する施策は今後、限界を迎えるのではないかと思う。

自社のブランドを確立し、Googleのエンティティ(自分たちが何もなのか)をしっかりと伝え、
自社のサイト外でユーザーと接触し、エンゲージメントを高めていくことが必要になってくると予想している。
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稚拙な内容ではありましたが、3日間、SEO&英語漬けになった中で、SEOトレンドを私なりの視点でまとめさせていただきました。

10月以降のサクラサクのセミナーでは、根岸が講師を務めさせていただき、今回のPUBCONの内容にも触れていきたいと思います。
ご参加是非お待ちしております。
https://sakurasaku.satori.site/seminar-list/

PS おまけ 今年も恒例のGoogleのゲイリーさんと撮影させていただきました。