架空の口コミ、女性の写真借用…グノシー子会社が虚偽広告制作 社内ガイドラインに抵触
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スマートフォン向けニュースアプリ大手で東証1部上場の「Gunosy(グノシー)」(東京都港区)の完全子会社が、化粧品や育毛剤などについて架空の「口コミ」や関係のない写真を使うなどした虚偽の広告を制作、配信していたことが毎日新聞と調査報道グループ「フロントラインプレス」の調べで明らかになった。グノシーは取材に「過去社内のガイドラインに抵触する事象があった」と回答、現在は広告制作業務を大幅に縮小していると説明した。しかし、現在も同じ体裁の広告は配信されており、これについては「他の広告代理店の原稿」としながら、自社の審査を通した上での配信であることを認めている。【山口朋辰、大村健一/統合デジタル取材センター、フロントラインプレス】=記事下にインタビュー動画
韓国のサイトの画像を使い
虚偽広告制作の舞台となったのはグノシーの100%子会社「digwell(ディグウェル)」。元社員、元アルバイトら関係者の話や内部資料によると、ディグウェルでは少なくとも2017年夏から18年6月まで、社員やアルバイトのライターらが、効能を強調する架空の消費者のコメント(口コミ)、無関係の人物の画像を使った広告を制作。グノシーのアプリのほか、スポーツ紙など他メディアのサイトにも掲載された。
これらは一般記事風の体裁になっているLP(ランディングページ)と呼ばれる種類の広告で、商品の説明記事に写真と見出しがつけられ、口コミが添えられた構成だった。ページ内のリンクから商品の購入サイトへ誘導する仕組みになっている。
取材に対し、アルバイトライターの一人だった30代男性は、21の商品について18年に「社員の指示で虚偽広告を作った」と証言した。医薬部外品の広告では韓国の個人サイトから無断で借用した女性の画像を使ってシミが消えたように見せ、ダイエットのサプリメントでも、同じように韓国サイトの画像で「ビフォーアフター」の画像を作り、「ダイエットに成功した」という架空の「口コミ」を付け加えたという。
「架空の口コミでOKです」と指示
また、取材班が入手した、ディグウェル社内での連絡に使われていたビジネス向けチャットアプリ「Slack(スラック)」の記録によると、…
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