『傑作民俗学漫画10選』――平成後期から令和にかけて――

平成後期から令和にかけての、「民俗学漫画」の傑作を紹介します、なのだ。「民俗学」とは何か? 「民俗学漫画」とは何か? 興味の湧いた方は、ぜひぜひ。無料で読める漫画も多くあるのだ。
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好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

好き勝手に語りたいアライさん、略してカライさんなのだ。カライさんはむつかしーことからくだらないことまで、ムショーに何かを語りたくなることがあるのだ。でもそんな話ができる相手はいないのだ。だからここで語るのだ!

2019-11-28 13:48:51
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

一回普通の口調で短めに書いてみようかなと思ったけど、本能がそれを許さなかったのだ! キーボードがとまるのだ! よってこのままいくのだ。

2020-02-03 15:49:24
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

今回のテーマは『傑作民俗学漫画10選』――平成後期から令和にかけて――なのだ。

2020-02-03 15:49:31

『傑作民俗学漫画10選』――平成後期から令和にかけて――

好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

さて、あなたは「民俗学」という学問領域について見聞きしたことはあるのだ? 日本では柳田國男と佐々木喜善によって記された『遠野物語』が嚆矢となった学問なのだ。

2020-02-03 15:49:39
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

わかりやすく言うのならば、それは文化と風俗など「当時の現地の様子を知り、考え、記録すること」を中核とした学問なのだ。 日本は千年紀クラスの文化風土を持つ特殊な民族体なので、世界のそれとも若干異なる独自性を持った、興味深い特殊な民俗学が形成されてきたのでは、と感じるのだ。

2020-02-03 15:50:02
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

例えば『ゲゲゲの鬼太郎』は妖怪をテーマとした民俗学的な漫画なのだ。「妖怪という伝統文化」を日本に広め、再認識させた水木しげる御大はその功績によって紫綬褒章や文化功労者に叙されているのだ。

2020-02-03 15:50:13
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

ともあれ。「民俗学」とは当時の・現地の文化とかを研究する学問であり、「民俗学的な漫画」とは何らかのテーマを軸に、一つの文化とかを詳細に表現した漫画作品。 そういう風に考えて欲しいのだ! ここではそう扱っていくのだ。

2020-02-03 15:50:33
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

カライさんが思うに、ここ十年ほどの間に日本の漫画市場には「民俗学的な漫画」の流行が起きつつあると思うのだ。

2020-02-03 15:50:49

[目次]

一作目 エーゲ海を渡る花たち(十五世紀・地中海)
二作目 ゴールデンカムイ(二十世紀・北海道)
三作目 乙嫁語り(十九世紀・中央アジア)
四作目 竜と勇者と配達人(十三世紀ぐらい・ヨーロッパ)
五作目 千年狐 ~干宝「捜神記」より~(~四世紀・中国)
六作目 ヘテロギニア・リンギスティコ(十九世紀ぐらい・魔界)
七作目 アルテ(十六世紀・フィレンツェ)
八作目 東方茨歌仙、東方鈴奈庵、東方酔蝶華(十六世紀・日本)
九作目 地獄楽(十八世紀~十九世紀・日本、中国)
十作目 ダンジョン飯(紀元前千二百年~十五世紀ぐらい・ヨーロッパ)

附録一 「その他の民俗学漫画」
附録二 「民俗学要素はフレーバーな傑作」
附録三 「諸事情により紹介しづらい作品」
附録四 「ライトノベル作品」

好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

では、論より実例。 早速一つ目の『傑作民俗学漫画』を紹介するのだ。

2020-02-03 15:51:14

一作目 エーゲ海を渡る花たち /十五世紀・地中海

好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

一作目は『エーゲ海を渡る花たち』なのだ。

2020-02-03 15:51:49
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

一作目 エーゲ海を渡る花たち /十五世紀・地中海 Amazonリンク: amazon.co.jp/gp/product/B07… 無料公開部分リンク: comic-meteor.jp/hanatachi/

2020-02-03 15:51:36
リンク エーゲ海を渡る花たち エーゲ海を渡る花たち 妹を探すため、ふるさとのクルムへと戻りたいオリハと、その旅に同行したいリーザ……ふたりの旅が今始まる! 28 users 16
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

『エーゲ海を渡る花たち』は、「十五世紀半ば(約六百年前)の地中海を舞台に描かれる、少女たちの島々と海を渡る旅行記」なのだ。

2020-02-03 15:51:58
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

日本のファンタジー界隈ではもはや概念と化した中世ヨーロッパ、という時代のリアルな面白さを描く作品、と考えてもらえると良いと思うのだ。(ただ、正確には当時は中世から近世への過渡期だそうなのだ)

2020-02-03 15:52:10
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

この作品の魅力は何と言っても主人公であるリーザとオリハ、二人の少女を中心に「確かにその時代に息づく人々」の魅力と、繊細な筆致(画力高い!)で描かれる六百年前の地中海の情感豊かな「この世界に行ってみたい!」と思わせる世界観なのだ。

2020-02-03 15:52:29
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

リーザはイタリア半島北部のフェラーラに暮らす黒髪のお嬢様。オリハは謎めいた出自を持つ金髪碧眼の旅の少女なのだ。 この二人は「大商人の娘」と「修道女」としての側面を持った描かれ方をしていて、もちろん外見設定にも民俗学的な由来があるのだ。

2020-02-03 15:52:46
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

いや、人種だと人類学かな? クレタ島出身の褐色幼女のテゥヴァちゃんの半生なんかも史実に即していて興味深いのだ。

2020-02-03 15:52:49
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

ともあれ、天真爛漫で活発なリーザと優しく丁寧だけれど強い意思のあるオリハは、それぞれの目的のため、「大航海時代の始まり」にして「ルネサンスの初期」である時代に世界を旅するのだ。

2020-02-03 15:53:00
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

基本的には明るく楽しく綺麗な旅の話なんだけれど、時に目的のために困難に立ち向かっていく二人が最終回で迎えた結末には涙なくして見られない、エンターテイメントとしての物語性も非常に高い作品だとカライさんは思うのだ。

2020-02-03 15:53:11
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

この作者さん、間違いなく物凄く世界史を愛しているのだ!

2020-02-03 15:53:28
好き勝手に語りたいアライさん @karaisan123

小物一つとっても詳細に、明確に文献や史料を当たった上で描かれているし、キャラクター達の髪型から服装までも(ヒロインについては可愛さも重視した上で)細やかかつ正確に描かれていて、

2020-02-03 15:53:44
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