Google、日本語を含む70以上の言語の検索でBERTを導入

[レベル: 上級]

BERT が日本語のウェブ検索にも導入されました。

BERT は自然言語処理技術の 1 つで、検索クエリおよびページのコンテンツを Google がより適切に理解できるようにします。
10 月後半に米 Google (google.com) の英語の検索に導入されました。

強調スニペットに対しては日本語にも採用されていましたが、通常の検索結果に対しては未採用でした。

日本語を含む 70 以上の言語で 12 月 9 日にBERT を展開

Link Estadão が報じたところによれば、(ブラジル時間の)12 月 9 日(月)に英語以外の言語にも BERT が導入されたようです。

この報道について、Google の Danny Sullivan(ダニー・サリヴァン)氏は他の言語への BERT 導入を最初は否定したものの、再確認しほどなくして認めました。

その後、Google 検索の広報用 Twitter アカウントで正式にアナウンスしました。
70 以上の言語に BERT を展開したとのことです。

日本語 (Japanese) も含まれています。

Webmaster Conference Mountain View に参加したときに、英語以外の言語での BERT 導入についてアルゴリズム開発の上級エンジニアに尋ねたら、そう長い時間はかからないだろうとのことではあったのですが、期待していたよりもずっと早かったなというのが僕の感想です。

BERT のための特別な対策は不要

英語では検索の 10 % に BERT は影響を与えたと Google は言及していました。
日本語ではどうでしょうか?

それなりの変化が起こった、あるいはこれから起こるのかもしれませんが、ランキング計測ツールでは目立つ変動は確認できないようです。

1 つの理由として考えられるのは、BERT は比較的長いクエリで機能するためです。
ランキングチェックツールが計測対象にしているクエリの大多数は、検索ボリュームが多いいわゆるビッグキーワードです。
BERT の力を借りずともその検索意図を Google は理解できています。
BERT に頼る必要がないわけです。

検索全体で考えたら、ツールがカバーしていないクエリのほうが数は圧倒的に多くなります。
局所的に、特定のクエリや特定のページで検索結果が大きく入れ替わっている可能性はあります。

さて、BERT が日本語検索に導入されたからといって特別な対応はまったく不要です。

今までと同様にユーザーの検索意図を満たすコンテンツを作っていくだけです。
本当は検索意図に答えていたのにこれまでは Google に適切に理解してもらえなかったコンテンツが、BERT で自然言語処理が向上したことによってきちんと理解してもらえるようになったかもしれません(BERT は、クエリおよびコンテンツを含む言葉に関わるすべての処理に関与します)。

“SEO に強い” ライティングはすなわち、ユーザーにとって検索意図をわかりやすく確実に満たすライティングを意味します。
普段のコンテンツ作成において、BERT を意識する必要はまったくありません。
もっと言えば、ユーザーを意識することが BERT を意識することにもなります。