こんにちは! 料理家の美窪たえです。
本日は、ハワイの名物料理「ガーリックシュリンプ」をご紹介していきます。
この料理の特徴は、豪快に殻ごと焼き上げたエビのプリッとした食感を存分に味わえること。そして、バターのコクとにんにくのうま味、エビの香ばしさが凝縮された特製ガーリックバターソースにあります。
さらに、途中でレモンを搾ることで全体がキリッとまとまり、さっぱりとした後味で楽しむこともできます。ビールやご飯との相性も抜群ですよ!
今回はエビのうま味を存分に楽しむために、あえて殻付きのエビを使用します。「殻付きエビは下処理が難しそう……」という方もいらっしゃると思いますので、エビの下処理は丁寧に解説していきます。
ということで、おかずにもおつまみにもぴったりなガーリックシュリンプの作り方をご紹介していきます!
材料(2〜3人前)
- ブラックタイガー(殻付き)……400g(16〜20尾)
- 玉ねぎ(みじん切り)……100g
- レモン汁……20ml
- オリーブオイル……15ml
- 塩……2g
ガーリックバターソース
- オリーブオイル(ガーリックバターソース用)……15ml
- にんにく(みじん切り)……20g
- 醤油……10ml
- バター……15g
- 水……30ml
- こしょう……適量
- パセリ(みじん切り)……10g
盛り付け用
- レモン(くし切り)……1/8個
- パセリ……適量
ガーリックシュリンプの作り方「エビの選び方編」
まず調理工程をご紹介する前に、ガーリックシュリンプを作る上で使用してほしいエビの選び方からお話していきます。
今回のレシピではブラックタイガーというエビを使用します。特徴はうま味が強く、加熱した時の赤みが鮮やかなこと。ブラックタイガーはガーリックシュリンプを始め、エビフライやエビチリなどの料理がおすすめです。
ガーリックシュリンプに向いている他の種類のエビとしては、バナメイエビもおすすめで、しっとり柔らかく甘みがあることが特徴です。
バナメイエビには、フリッターや炒めものなど、手頃なサイズ感と程よく柔らかい食感を活かした料理がおすすめですよ。
また、エビの下処理が面倒という方は、殻をむき、背わたまで取り除いた下処理済みの冷凍エビで代用することもできます。原材料欄を確認して、ブラックタイガーやバナメイエビの冷凍エビを選ぶようにしてくださいね。
エビは殻ごと加熱する方が、甲殻類特有のうま味と香りを引き出すことができるので断然おすすめではありますが、「殻付きはどうしても面倒で簡単に調理したい……」という方は、冷凍エビを選んでみてください。
前置きが長くなりましたが、早速ガーリックシュリンプの調理に移っていきます。
ガーリックシュリンプの作り方「エビの下処理編」
1.メインとなるエビの下処理から始めていきます。背中側から包丁の先で、身の1/4を目安に切り込みを入れていきます。殻の部分に包丁を入れる際は、滑りやすいので手元に気を付けてくださいね。
エビの背中には背わた(エビの腸管)と呼ばれる筋のようなものが入っています。これを処理しないと、ジャリッとした食感や嫌なにおいを感じることがありますので、必ず取り除きましょう。
2.切り込みを入れたエビから、背わたを取り除いていきます。
尻尾の付け根あたりまで真っすぐに入っている糸状のものが背わたです。包丁の先端で背わたを引っ張り出して切り取りましょう。
殻の隙間から楊枝を差し込み、背わたを引っ張り出して取ることもできます。やりやすい方法で背わたを取り除いてみてください。
3.背わたを取り除いたエビはボウルなどに入れて、身に残った背わたやぬめりを洗い、水気を切っておきましょう。特に尾の部分に汚れが残りやすいのでよく洗いましょう。
エビは鮮度が落ちると嫌なにおいが出てきますので、新鮮なエビを使い、においの元となる汚れやぬめりを丁寧に洗って取り除くことで、雑味のない味わいになりますよ。
ガーリックシュリンプの作り方「下味編」
1.エビに下味を付けていきます。
みじん切りにした玉ねぎ、レモン汁、オリーブオイル、塩をボウルに入れて混ぜ合わせます。
2.下味が絡みやすくなるように、キッチンペーパーでエビの水気を丁寧に拭き取ります。
3.下味用の具材とエビを軽く混ぜ合わせたら、冷蔵庫に入れて1時間以上置いて、しっかりと味を馴染ませていきます。
時間をかけてエビに下味を馴染ませることで、塩とオリーブオイルがエビの身の中まで浸透し、焼き縮みを防ぎ、ふっくらと仕上げることができます。
またレモンと玉ねぎは、西洋料理等で魚介類の臭み消しに利用される代表的な食材です。エビと一緒に漬け込むことで、下味としても機能しつつ、エビ特有のにおいを抑える効果もあります。
エビに下味を付ける工程は、ガーリックシュリンプの仕上がりを左右する重要なポイントになりますので、早く食べたい気持ちをグッとこらえてやってみてくださいね。
ガーリックシュリンプの作り方「焼き編」
1.フライパンにオリーブオイルを引き、中火でしっかりとフライパンを温めてからエビを焼いていくのですが、ここで1つポイントがあります。それは、エビを軽くはたいて下味用の玉ねぎを落としてから焼くことです。
エビと玉ねぎは同時に加熱してしまうと、玉ねぎから水気が出てしまい、殻付きエビの香ばしさを上手く引き出せなくなります。少し面倒ですが、このひと手間ででき上がりの香ばしさが全く変わってきますので、意識してみてくださいね。
▲エビを香ばしく焼くためにオリーブオイルは材料の記載通り15mlを投入してください
下味用の玉ねぎを落とした上で、エビ同士が重ならないように並べて焼いていきます。
2.エビは一度並べたら触らずに、5分程片面を焼いていきます。やや多めのオリーブオイルで殻ごと焼いて、エビ特有のうま味や香ばしさを引き出すことが重要です。炒めるのではなく、片面ずつしっかりと焼くように調理してみてください。エビの表面がしっかりと焼けたら、裏返して2分程焼きます。
3.両面がしっかりと焼けたら、火を止めてバットなどに取り出しておきます。
エビの身の中心が、半透明から白っぽく変わったら火が通った目安になります。殻の赤色だけで判断せずに、エビの身の色まで確認するようにしてくださいね。
4.ここからはガーリックバターソースを作っていきます。エビを炒めたフライパンに、みじん切りにしたにんにくを入れ弱火でじっくり炒めます。
フライパンに油分が残っていなければ、オリーブオイル10ml(分量外)を足してください。みじん切りにしたにんにくは、オイルがないと焦げるばかりで、持ち前の香りやうま味を上手く引き出すことができません。
オリーブオイルは、油というより「オリーブの実の果汁」と割り切って、しっかりと量を使うと、お料理がグンと美味しくなりますよ。
5.弱火のままにんにくを2〜3分程炒めて、香りが立ってきたら、エビの下味用に使用していた玉ねぎ等の具材を全て入れ、中火にして炒めます。
6.2分程炒めて玉ねぎが透き通ってきたら、水と醤油を加えて煮立たせます。
7.グツグツと沸いてきたら、取り出しておいたエビをフライパンに戻してバターを加え、全体に行き渡るように炒め合わせます。
バターは1cm程の角切りにしておくと、全体に散らしやすく溶けるまでの時間も早まるので、エビに余計な熱を加えずに手早く仕上げることができますよ。
8.適量のこしょうとみじん切りにしたパセリをたっぷりと加えてひと混ぜしたら、ガーリックシュリンプの完成です! お皿にこんもりと高く盛って、くし切りにしたレモンとパセリを添えましょう。
脇役の印象が強いパセリですが、生のパセリを刻んでたっぷり加えると、すがすがしい香りが加わります。エビのきれいな赤色がより映えますので、脇役と侮らずにぜひ入れてみてください。
乾燥パセリでも代用可能ですが、こだわって作りたい方は、ぜひ生のパセリを使ってみてくださいね。
ガーリックシュリンプの楽しみ方
でき立てのガーリックシュリンプは、エビの香ばしさとにんにくの香りで食欲をそそる仕上がりになっています。
殻をはずして豪快にかぶりつくと、プリッとしたエビの食感をお楽しみいただけると思います。そして、エビの殻から出た香ばしさ、香味野菜とにんにく、バターのうま味が詰まったガーリックソースは、奥深く飽きのこない味わいになっています。
お好みでレモンを搾れば、全体の味わいがキュッと引き締まりさっぱりとした味わいに。食べる手もビールも止まらなくなりますよ!
ちなみに殻付きのエビは、片手で殻を軽くめくり上げ、フォークを身に刺して引っ張ると、簡単に殻からはずすことができます。
殻付きのエビは多少食べにくいものの、殻から出るうま味と香ばしさが格別なので、手は汚れる前提で、お手拭きを用意して食べ始めてくださいね。
このガーリックシュリンプは、おつまみとしてビールなどに合わせても美味しいのですが、ご飯(分量外)との相性も抜群です! ガーリックシュリンプの本場ハワイでも、ご飯と一緒にプレートに盛られたスタイルで提供されることが一般的です。
うま味が詰まったガーリックバターソースが染みこんだご飯と、プリッとした大ぶりのエビを一緒に頬張れば、その相性の良さを感じていただけるかと思います。
ソースに加えた隠し味の醤油がご飯とのつなぎ役になり、ハワイ発祥の料理ですが、日本人もほっと安心できる味わいに仕上がっていますよ。
まとめ
ハワイ発祥の料理「ガーリックシュリンプ」はいかがでしたか?
これから始まる暑い夏に向けて、スタミナもつきそうなガーリックシュリンプのレシピになっています。レシピ通りにこだわって作ると多少時間はかかりますが、その分完成度の高いガーリックシュリンプを作ることができますので、興味がある方はぜひチャレンジしてみてくださいね!
書いた人:美窪たえ
料理する人、食べる人。J.S.A.認定ソムリエ、SAKE DIPLOMA。OLからバーテンダー⇒日本料理人⇒フレンチコック⇒アメリカンデリという、異色の経歴を持つ料理家。料理のおいしさと酒への思いを発信するユニット[おとな料理制作室]としても活動。著書『おとな料理制作室へようこそ』(ワニブックス)が好評発売中。