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Credit:Canva
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カゲロウの寿命は極端に短い!「口がなく眠る必要もない」って知ってた?

2021.08.27 Friday

2020.12.14 Monday

カゲロウは数時間で死ぬように体が作られています。

はかなく飛び回るカゲロウには口がなく、腸もないため、一切のエサや水をとることができないんです。

地球上には様々な虫が存在しますが、口がない虫というのはカゲロウの他に存在しません。

また飛行速度も非常におそく、鳥・コウモリ・魚など様々な動物にとって格好の獲物になります。

魚釣りに使われる疑似的なエサの多くが、カゲロウをモデルにしていることからも、その捕食されっぷりがうかがい知れます。

そんな弱々しさやはかなさの代名詞にもなっているカゲロウ。

しかしカゲロウは3億5000万年前から地球に生き続けている、生きている化石なのです。

そして彼らが何億年もの間、種として生き残れてこれた秘訣は、まさにこの弱さにありました。

弱肉強食の自然界で弱さを武器に生き残ってきたカゲロウの生存戦略とは、いったいどんなものなのでしょうか?

カゲロウ誕生の歴史から紹介していきます!

ecospark https://www.ecospark.ca/mayfly

カゲロウは最初に飛んだ虫

カゲロウの姿
カゲロウの姿 / credit: depositphotos

近年の研究により、昆虫がうまれたのは4億8000万年前であることが明らかになっています。

地球上の種の数が劇的に増加したカンブリア爆発が起きたのが5億年前であることから、昆虫の誕生がいかに早かったかがわかります。

昆虫が誕生した当時、陸上には、やっとコケ類が増え始めたばかりであり、背の高い植物は存在していませんでした。

そんな世界で、昆虫は最初の陸上動物として生活をはじめることになります。

転機が訪れたのは4億年前。

この頃になると植物もコケだけでなく、丈のあるシダ類の先祖もあらわれはじめます。

つまり、昆虫たちの生活の場がより立体的になってきたのです。

すると、昆虫たちの中に、ハネをはやして飛び回るものたちがあらわれました。

旧翅類(きゅうしるい)と呼ばれる彼らは、地球で最初に空を飛んだ最も原始的な昆虫とされています。

現在の地球上で旧翅類に分類される虫は2グループしか存在しません。

1つは恐竜の時代に大型化したことが知られているトンボ。

そしてもう一つがカゲロウでした。

しかし近年になりトンボよりカゲロウのほうがより古い昆虫であるとされるようになり、その場合、カゲロウは最初に空を飛んだ生物の、最後の生き残りとなります。

次ページカゲロウが成虫になるまで

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