【11月13日 AFP】国連(UN)の報告書によると、世界の人口は15日に80億人に達する見通しだ。増加ペースは鈍化するものの向こう数十年にわたり増え続けるが、地域間の人口動態格差は広がると予想されている。報告書の要点を紹介する。

■増加ペースは鈍化へ

 報告書は国連経済社会局(DESA)人口部がまとめた。1950年時点の世界人口は25億人だったが、それから3倍以上に増えたことになる。

 ただ、国連人口基金(UNFPA)のレイチェル・スノー(Rachel Snow)氏はAFPに対し、増加率は1960年代初めにピークに達した後、大幅に低下していると語った。

 年間増加率は1962~1965年は2.1%だったが、2020年には1%を下回った。出生率の持続的な低下に伴い、2050年には0.5%前後に落ち込む可能性もあるとみられる。

■人口のピークは

 報告書は、平均余命の伸長に加え、妊娠可能年齢の女性人口の増加を背景に世界人口は増え続け、2030年に85億人、2050年に97億人となった後、2080年代に約104億人のピークに達すると予想している。

 別の予測もある。米ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)は2020年に公表した報告書で、世界人口は2064年に100億人に到達しないままピークアウトし、2100年には88億人に減少するとしている。

 報告書の筆頭著者、スタイン・エミル・ボルセット(Stein Emil Vollset)教授はAFPに「われわれの予想値は国連を下回っているが、根拠は十分にあると考えている」と話した。同教授らが使ったのは国連とは異なる出生率に関するモデルで、それに基づいて試算すればピーク時人口は90億人を上回るが、100億人には届かない水準となる見通しだ。

■出生率の低下

 1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す合計特殊出生率は2021年時点で平均2.3だった。1950年の約5を大幅に下回っており、2050年には2.1にまで低下すると予想されている。

 人口を維持するには合計特殊出生率が約2.1以上でなければならないとされる。UNFPAのスノー氏は、大半の国がその水準を下回る段階に入っていると指摘した。