LINE “オンライン診療から薬配送まで”一貫して実施へ

通信アプリ大手のLINEがオンライン診療から薬の配送までを一貫して行うサービスに乗り出すことがわかりました。オンライン診療などの普及が伸び悩むなか、多くのユーザーを持つ通信アプリの参入は利用の拡大に影響を与えそうです。

LINEはアプリを使ったオンライン診療をおととしから手がけてきました。

関係者によりますと、診療に加えて薬の服薬指導と自宅への配送までオンラインで一貫して行うサービスを新たに始めるということです。

こうしたサービスはほかの企業なども手がけていますが、診療と薬の服薬指導が別々のサービスとなる場合も多く、LINEでは同じアプリで一貫して提供することで利便性を高めるねらいがあるとみられます。

コロナ禍以降、政府は医療提供体制を強化する一環として、オンライン診療などの普及を目指しています。

ただ、厚生労働省によりますと電話を含むオンライン診療を行う医療機関は全体のおよそ15%、服薬指導は処方箋の数の1%未満にとどまっています。

こうした中、国内でおよそ9000万人のユーザーを持つLINEの参入は利用の拡大に影響を与えそうです。

オンライン診療の現状は

オンラインによる診療や服薬指導のサービスは大手からスタートアップ企業までさまざまな企業が参入していますが、多くのアプリが登場し、わかりにくさや利便性の課題が残されています。

大手調剤薬局チェーン各社は服薬指導のオンライン化を進めてきました。

サービスに使うアプリは自社で運営するものや、ほかのスタートアップ企業と共同で運営するものなどさまざまあります。

また、オンライン診療でも複数のスタートアップ企業などがそれぞれ開発したアプリで参入しています。

こうした中には、診療と服薬指導が別々のアプリになっているケースもあり、利用者にとってはさまざまなアプリが混在するわかりにくさや、1つのアプリで完結しない利便性の課題が残されていました。

その一方で、コロナ禍の第7波ではオンラインの診療と服薬指導の利用者が拡大し、そのニーズは高まっていることから、各社の間では利用者にとっていかに使いやすいサービスにできるか、その競争が激しくなりそうです。