山崎隆之八段、初の名人戦A級順位戦昇級決定 40歳のオールドルーキー誕生

[ 2021年2月5日 06:14 ]

初のA級昇級を決めた山崎隆之八段
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 将棋の山崎隆之八段(39)が4日深夜、大阪・関西将棋会館での第79期名人戦B級1組順位戦の対局に敗れたが、新年度からの第80期での初のA級昇級を決めた。久保利明九段(45)との対局には敗れ、9勝2敗としたが同日都内で指された2番手・永瀬拓矢王座(28)、郷田真隆九段(49)の対局のうち郷田が敗れて7勝4敗と後退。2枠の昇級枠に次回最終局を待たず滑り込むことが決まった。

 山崎は現役で37人目のA級棋士(陥落を含む)。14日で40歳の誕生日を迎える山崎は新A級としては最高齢で、オールドルーキーの活躍に注目が集まる。

 5日午前0時18分の終局後、感想戦を済ませ帰途に就こうとした同39分、郷田が投了した。山崎は報道陣から朗報を聞き、「なかなか1年を通して神経を使って指せたことがなかった。今期はそれができている」と手応え。13期連続B級1組での足踏みが続いただけに「A級で戦う前にしっかり準備したい」と名人挑戦権を争うトップ10人による戦いへ思いをはせた。

 山崎は中学2年生で被災した阪神大震災で、同門の同期生・船越隆文さん(震災時17)を失った。広島市出身だが、兵庫県宝塚市在住の師匠・森信雄七段宅で内弟子として修行中に遭遇。志し半ばで逝った船越さんの情熱を思い返すたび、「この体たらくでごめんね」と語り掛けてきた。昇級を決めたこともあり「写真を見て、ちゃんとした言葉を気後れなく交わせる。少しうれしいです」と初めて笑顔を見せた。

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2021年2月5日のニュース