終わらない、まだ終わらないマリトッツォブーム。以前にも増して、その戦いは激化しているかもしれない。日本を代表する製パンメーカー「山崎製パン(デイリーヤマザキ)」でさえ、ようやく本腰を入れてきたところだ。これからが本番だ……。

そんな激しいマリトッツォ戦争に大阪のブランド「ベビーマジック」が参戦していることが判明した。ここのマリトッツォはスーパーの商品でも屈指のクオリティを誇る。このクリームの量は “来てる” な……

・これは “来てる” んじゃないか?

ベビーマジックは「株式会社ヤムヤムクリエイツ」のブランドだ。同社は菓子の製造販売、輸入などを手掛けている。あまり馴染みのない会社名だが、小田急百貨店や東急百貨店、三越伊勢丹、丸井などが主な取引先で、それらの企業のスーパーや百貨店に商品を卸している。私がベビーマジックの商品を発見したのは、近所の東急ストアだ。


その日はマリトッツォリサーチをしていた訳ではなく、何の気なしにデザートコーナーに通りがかっただけだった。ところがショーケースを見ると、初めて目にするパッケージのマリトッツォを発見してしまった。なんだコレは? ただならぬクリームの量だ。来てるんじゃないか? コレは


これを見過ごす訳にはいかない! っつーことで税込321円の商品を購入して走って帰った。急いでクリームの状況を確かめなければッ!! 急げ、俺!


・あふれんばかり

すぐさま商品をテーブルの上に置き、息を整えながら、パッケージをじっくりと見ると……。


「コク深い練乳生クリーム クリームたっぷりマリトッツォ」


と記されている。商品名の上に控えめな文字で「Baby Magic(ベビーマジック)」と書いてある。略称を「ベビマジ」というそうだ。フタを開けると、ほのかにパンの芳しい香りがする。そして透明フィルムがあふれんばかりのクリームをしっかりとガードしていた。来てる来てる、かなり来てるぞ!


・皮1枚

フィルムを外して皿にのせて、今一度よく見てみる。壁だな、パンの間から見えているのはクリームの壁だ。あの生クリーム専門店「ミルクベーカリー」のマリトッツォを思い出させてくれる。


ミルクベーカリーは店内キッチンで作っているからこそ、大量のクリームを詰めることができた。こちらは流通商品だ。運んでいる途中でクリームがこぼれてしまう恐れがある。それを考えると、この量でもかなり優秀だ。そしてペロリと上のパンをめくってみると……。


来てるー! よくやった!! 来てるぞ、めっちゃ来まくってる!


クリームの量もさることながら、パンを上下に切り分けていないところも褒めたい。パンを2つに分けた方がずっと製造が楽なはずなのに、皮1枚で堪えたんやな! その苦労を想像しただけで涙が出そうだ……。


見た目で楽しむのはこれくらいにして、食べてみるとしよう。


クリームの量に関しては文句の付けようがない。ひと口頬張ると、口中はクリームでいっぱいになる。だが、パンは少し固めかなあ……。

とはいえ、流通商品であることを考えると、ある程度は仕方のないことかもしれない。パンは時間が経てば萎(しぼ)んでくるので、多少固めに作った方が形状を維持しやすいはず。パンの固さを考慮しても、これはかなり優秀なマリトッツォと言っていいだろう。


・本当の戦いはこれから

最近になって、ファミリーマートや100均ローソン(ローソンストア100)も、マリトッツォの販売を開始している。風の噂では、セブンイレブンも地域限定でマリトッツォを販売しているらしい。大手コンビニ3社もマリトッツォ戦争に参戦しているところを見ると、これはさらに激しい戦いになりそうだぞ。生き残りを賭けたマリトッツォの戦いはこれからじゃーい!

参考リンク:株式会社ヤムヤムクリエイツ
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24