脳でロボットアームを操作し、ケーキを食べる
脳でロボットアームを操作し、ケーキを食べる / Credit:Robert・Buz・Chmielewski/APL
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四肢麻痺患者が「脳に電極アレイを埋め込み」ロボットアームを操ることに成功!

2021.01.27 Wednesday

2021.01.12 Tuesday

Robert・Buz・Chmielewski氏は10代で事故に遭い、30年間四肢が麻痺した状態で生活してきました。

ところが2020年12月10日、アメリカのジョンズ・ホプキンス応用物理研究所(APL)の神経科学者Francesco Tenore氏ら研究チームは、Chmielewski氏が2本のロボットアームを同時操作しデザートを自力で食べたと報告

Chmielewski氏の脳には電極アレイが埋め込まれており、ロボットアームは脳によって直接操作されました

>参照元はこちら(英文)

Johns Hopkins University https://hub.jhu.edu/2020/12/28/quadriplegic-man-feeds-himself-with-brain-controlled-prosthetic-arms/?fbclid=IwAR2dNU7-ddmRAgVKN5xKsfYbPnJMnR282wjWn1UjIeiXY_Oxm0BlXUWbVtA

脳に電極アレイを埋め込み、触覚を得る手術

Chmielewski氏は30年間四肢が麻痺した状態で生活してきた
Chmielewski氏は30年間四肢が麻痺した状態で生活してきた / Credit:Robert・Buz・Chmielewski/APL

Chmielewski氏は四肢の麻痺により、手や指がわずかに動くだけで感覚もほとんどありません。

しかし、約2年前に臨床試験の一環としてジョンズ・ホプキンス病院で10時間にわたる外科手術を受けました。

この目的は、参加者が補助装置を制御し、脳の神経信号を使って物理的な刺激(触覚)を得られるようにするというもの。

実際、Chmielewski氏の脳には6つの電極アレイが埋め込まれ、手術後数か月以内に2つの義手を同時に制御することができました。さらに、僅かながら触覚のような感覚が得られたとのこと。

手術で脳に6つの電極アレイを埋め込む
手術で脳に6つの電極アレイを埋め込む / Credit:Robert・Buz・Chmielewski/APL

義手から脳にフィードバックされた触覚について、当時のChmielewski氏は「説明するのが難しいですが、それは脈拍や血圧のように感じました。その感覚は小さく、ピンや針で触っているかのようです」と述べていました。

この成果とChmielewski氏の進歩に感銘を受けた研究者たちは、さらに高度な研究に取り組むことにしました。

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