ヒアリ
ヒアリ / credit:Pixabay
insect

猛毒を持つヒアリをワサビで撃退できることが明らかに!

2022.06.18 Saturday

ヒトが刺されると最悪死に至ることもある猛毒を持つヒアリ。

本来日本には存在しない種ですが、2017年に日本にも入ってきたというニュースが世間を騒がせました。

ただ、ここ数年はあまり話題に上がらなくなったと思っている人もいるかもしれません。

しかし実はヒアリの脅威は今もなくなっておらず、日々水際で対策を行っているのが現状です。

そんな中、意外なものがヒアリ対策になるとして注目を集めています。

それが日本人には馴染み深い食品「ワサビ」です。

この記事では、日本におけるヒアリ侵入の現状と、ワサビの辛味成分を使ったヒアリの忌避・燻蒸剤の研究についてご紹介します。

危険生物ファーストエイドハンドブック 陸編 特別編集「ヒアリ」(PDF) https://drive.google.com/file/d/1NPKH7KRVaLKBpOlQ0nB0ParbEm6zpvHH/view 特定外来生物ヒアリに関する情報(環境省 https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/hiari.htmlhttps://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/attention/hiari.html Wasabi Compound Fumigant Found to Be Effective against Fire Ants https://www.u-hyogo.ac.jp/english/topics/details/20200825/index.html 気密性の低い段ボール箱でも、マイクロカプセル化わさび成分シートをヒアリ忌避剤として有効に活用できることを証明 https://www2.hyogo-c.ed.jp/weblog2/board-bo/press/2022/04/%E5%85%B5%E5%BA%AB%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E8%87%AA%E7%84%B6%E3%83%BB%E7%92%B0%E5%A2%83%E7%A7%91%E5%AD%A6%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80%E5%85%B5%E5%BA%AB%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E4%BA%BA%E3%81%A8-2/
The effect of fumigation with microencapsulated allyl isothiocyanate in a gas-barrier bag against Solenopsis invicta (Hymenoptera: Formicidae) https://link.springer.com/article/10.1007/s13355-020-00684-9 Wasabi versus red imported fire ants: preliminary test of repellency of microencapsulated allyl isothiocyanate against Solenopsis invicta (Hymenoptera: Formicidae) using bait traps in Taiwan https://link.springer.com/article/10.1007/s13355-019-00613-5

ヒアリはどんな生き物?日本にはいるの?

ヒアリのイラスト
ヒアリのイラスト / credit:イラストAC

アリは南米大陸原産の赤みがかったアリで、尻に強力な針を持つことで知られています。

漢字で書くと「火蟻」で、刺されたときに火傷のような痛みを伴うことが由来となったそうです。

テレビなどでは「殺人アリ」などと呼ばれることもありますが、これは重篤なアナフィラキシーショックが起こった場合で、ほとんどの場合は命に関わることはなく、赤く腫れて痛むといった症状のようです。

生息地が広がるヒアリ

船での輸送
船での輸送 / credit:Pixabay

南米原産のヒアリですが、輸送のグローバル化に伴い世界的に生息地が広がっており、「世界の侵略的外来生物ワースト100」に選定されています。

日本でも、2017年5月に神戸港で見つかったのを皮きりに、各所の港で見つかっており「特定外来生物」に指定されました。

しかし、最初に見つかった2017年にはニュースを賑わせていたものの、最近はめっきり名前を聞かなくなった印象があります。

結局、日本には入ってきているのでしょうか?

定着はしていないものの80例以上のヒアリを確認

蟻塚
蟻塚 / credit:Pixabay

結論から言うと、現在のところ日本でヒアリの巣や繁殖は確認されていません。

つまり、海外から入ってきてはいるものの定着はしていない状態と言えるでしょう。

ただ全く心配がないのかというと、そういうわけでもありません。

日本と若干緯度が異なる台湾ではすでにヒアリが定着してしまっており、また環境省の報告によると2022年6月15日現在、最初にヒアリが発見された2017年6月から数えて85例のヒアリの日本侵入が確認されています。

直近のヒアリの発見は2022年5月25日となっており、年々温暖化が進む現在、決してヒアリの驚異がなくなったとはいえない状況なのです。

今後はより一層の水際対策が求められます。

次ページ危険なヒアリの忌避剤に「ワサビ」が有効!

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