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Windowsキーを使わないなんてとんでもない!知っておきたいWindowsキーでできる便利なこと7選

 キーボードに確実にあるのに、なかなか押す機会がないキーの1つとして知られているのが「Windows」キーだ。もちろん、日常的に使うという人もいるだろうが、多くの人が「スタートメニューを表示するためだけのキー」として認識しているのではないだろうか。ここでは、そんなWindowsキーを普段の操作に活用するためのショートカットキーを紹介する。

我が家はWindows 7世代の丸縁取りWindowsキー

 Windowsキー(Windowsロゴキー)の登場は、Windows 95が発売された1995年ほどで、その歴史は約27年になる。

 それ以降、フルサイズの日本語キーボードが従来の「106キーボード」から、2つのWindowsキーと1つのアプリケーションキーが追加された「109キーボード」となったわけだが、27年もこのキーが左手小指の陰に隠れていたのかと思うと感慨深い。

 もちろん、Windows向けのキーボードにしか搭載されていないキーだが、基本的にはWindowsのランチャーであるスタートメニューを表示するために利用される。

 スタートメニューは、マウスやタッチパッドを使って開くことの方が多いうえ、よく使うアプリはタスクバーやデスクトップのアイコンを使って起動する方が速いため、このキーを押す機会は確かに少ない。しかし、ショートカットキーとしてほかのキーと組み合わせることで、いろいろな活用ができるため、もう一度、このWindowsキーの価値を見直してみようというのが、本稿の意図となる。

 ちなみに、Windowsキーのロゴは、Windowsの世代に合わせて変化しており、古くはWindows 95から、XP、Vistaおよび7、8および10、そして現在の11世代といくつかのデザインが存在する。

 製造中止になった筆者愛用の富士通LibertouchのWindowsキーは、7世代の丸い縁取りのあるタイプだが、読者の方々の中には、さらに古いデザインのWindowsキーが現役の猛者もいることだろう。手元のロゴに注目してみるのもおもしろいだろう。

7つの便利なWindowsキーの使い方

 それでは、具体的にWindowsキーを活用した便利なショートカットキーの機能について紹介しよう。筆者の基準で判断しているが、なるべく特定の用途に偏らない万人向けの機能を中心に選別した。普段の作業に活用してもらえれば幸いだ。なお、順番はアサインされたキー順となっている。

【Win+L】即座にロック画面に切り替える

作業中にWin+Lを押すと、即座にロック画面になる

 使用中のデスクトップをロックすることができるショートカットキーとなる。Windows NT世代からの古いユーザーには「Ctrl+Alt+Del」からの「L」の方がしっくりくるかもしれないが、要するにキーボードから手を離さずに、すばやくロック画面に切り替えることができる。

 テレワークなどで、外出先で仕事をする機会が増えてきたが、第三者の目がある場所で、少し席を離れる場合などに活用することで、作業中のウィンドウを開いたまま画面を見られないように保護できるわけだ。

【Win+P】マルチモニターで役立つ画面切り替え

画面の出力方法を選択できる

 プレゼン時に、プロジェクタなどにPCをつないで、思い通りの構成で画面が表示されないと焦るが、こうしたシーンで覚えておくと助かるのが、このWin+Pだ。Windows側での画面の出力方法を選択するための画面を瞬時に表示可能で、「複製」や「拡張」などの表示方式をすばやく選択できる。

 マルチモニターの活用でも便利だが、そろそろテレワークのみの環境からリアルでの会議やイベントの機会も増えてきたので、このショートカットを使う機会も増えてきそうだ。

【Win+V】クリップボードの履歴から貼り付ける

まとめてコピーして選択して貼り付けが可能。ただし、テキストと画像のみ(ファイルは不可)

 Crtl+CとCtrl+Vによるコピーと貼り付けは、ショートカットキーの定番中の定番と言えるものだが、このCtrl+Vの新世代版と位置付けられるのがWin+Vだ。基本的には、コピーしたテキストを貼り付けるための機能だが、直前の情報しか貼り付けられないCrtl+Vと異なり、Win+Vでは履歴を利用できる。つまり、過去にコピーした履歴の一覧からコピーしたい情報を選んで貼り付けることができるわけだ。

 このため、複数の情報をコピー&ペーストする際、コピーとペーストを交互に繰り返すのではなく、まとめて複数の情報をコピーしておき、ペースト時に情報を選択して貼り付けることができる。コピペの効率がかなり高まるおすすめのショートカットキーだ。

 このほか、よく使う情報(挨拶や自己紹介など)をピン留めして常に使えるようにしたり、絵文字なども貼り付けたりできる。なお、利用時は、画面の指示に従うか、[設定]の[システム]の[クリップボード]から[クリップボードの履歴]をオンにする必要がある。

【Win+↑/↓/←/→】ウィンドウを最大/最小化または左/右半分に配置

Win+↑で最大化
Win+←で左半分にスナップ

 Win+カーソルキーは、デスクトップに表示しているウィンドウを整理するのに便利なショートカットキーだ。Win+↑で最大化、Win+↓で最小化が可能なので、特定のウィンドウを画面いっぱいに広げたり、作業を中断して最小化したりする操作をすばやく実行できる。

 また、Win+←で画面左側に半分にウィンドウをスナップしたり、Win+→で右半分にスナップしたりできる。これにより、ブラウザとExcelなど2つのアプリを並べた作業環境が簡単に整えられる。Windows 11ではスナップの機能が拡張され、マウス操作でもレイアウトを選びやすくなったが、マウスのホバーやレイアウトの選択など、マウス操作ではステップ数が増えるので、このショートカットキーを覚えておくと便利だ。

【Win+「+」/「-」/ESC】プレゼンやWeb会議で役立つ拡大鏡

拡大鏡で画面を拡大

 これらのキーは、拡大鏡を扱うためのショートカットキーだ。拡大鏡はWindowsの画面を一時的に数百%に拡大することができる機能だ。近年、モニターの高解像度化によって画面の文字が小さくなりがちだが、こうした環境で文字や画像などの画面要素を拡大して表示できる。

 どちらかというとプレゼンやWeb会議などの際に有効な機能となる。プロジェクタや会議室のTV、Web会議の共有画面などでは、画面の細かな部分が判別しにくい場合がある。こうしたシーンで、画面を拡大して見やすくできるうえ、見てほしい部分にフォーカスできる。

【Win+Ctrl+Shift+B】映像周りの不調に効くかも? ビデオドライバのリセット

 主に自作PCユーザーにおすすめのショートカットキーとなる。ビデオカードのドライバの不調で表示が乱れたり、ブラックアウトしてしまったりした際に、このショートカットキーでビデオドライバ回りをリセットできる。頻繁に使うものではないが、知っていると助かるショートカットキーの1つだ。

【Win+PrtScr】画面キャプチャをすぐさまファイルに保存

キャプチャされた画像は[スクリーンショット]フォルダに保存される

 現在表示されている画面をキャプチャするためにPrint Screenキーを使うことがよくあるが、Print Screenキーのみだとクリップボードにしか画面が保持されない。しかし、Winキーを組み合わせて利用すると、クリップボードだけでなく、ファイルとしても自動的に画像を保存できる。ファイルの場所は[ピクチャ]内の[スクリーンショット]だ

 Windows 11ではキャプチャショット関連の機能が拡充されており、Win+Shift+Sでも画面をキャプチャできるが、慣れたPrint Screenキーでの操作を生かしつつ、即座にファイルとして画面を保存できるのがメリットとなる。

そのほかのWindowsキーショートカット一覧

 このほかにもWinキーを利用したショートカットキーはたくさんある。こちらも筆者の独断なので偏っている部分はあるが、おすすめ度も示しておいたので、興味があるものを見つけたら試してみるといいだろう。なお、一部のキーは[設定]などから有効化しないと使えないものもある。

【表】Windowsキーのショートカットキー一覧
キー説明便利度
Winスタート メニューを開く/閉じる★★★★
Win + Aクイック設定を開く★★★★
Win + Bタスク バーの隅にある最初のアイコンにフォーカスを設定する
Win + CMicrosoft Teams から [チャット] を開く
Win + Shift + Cチャーム メニューを開く
Win + Ctrl + Cカラー フィルターを有効にする★★
Win + Dデスクトップを表示/非表示にする★★★★
Win + Ctrl + D仮想デスクトップの追加★★★★
Win + Eエクスプローラーを開く★★★★
Win + Fフィードバック Hub を開き、スクリーン ショットを撮る★★
Win + Gゲームの実行中に Xbox Game Bar を開く★★
Win + Alt + BHDR のオンとオフを切り替える★★
Win + H音声入力を起動する★★
Win + I[設定]を開く★★★
Win + J利用可能な場合は、Windows のヒントにフォーカスを設定する
Win + K[クイック スタート] から [キャスト] を開く
Win + Alt + Kマイクミュート(Teamsミーティング中のみ)★★
Win + LPC をロックする、/アカウントを切り替える★★★★★
Win + Mすべてのウィンドウを最小化する★★★
Win + Shift + M最小化されたウィンドウをデスクトップに復元する★★★
Win + N通知センターと予定表を開く★★★★
Win‌ + Oデバイスの向きをロックする★★
Win + Pプレゼンテーション表示モードを選択する★★★★★
Win + Ctrl + Qクイック アシストを開く★★
Win + R[ファイル名を指定して実行] ダイアログ ボックスを開く★★★
Win + Alt + RXbox Game Barでフォーカスがあるゲーム ウィンドウのビデオを録画する★★
Win + S検索を開く★★
Win + Shift + S画面の一部のスクリーン ショットを撮影する★★★★
Win + Tタスク バー上のアプリを順番に切り替える★★
Win + Uアクセシビリティの設定を開く★★
Win + Vクリップボードを開く★★★★★
Win + Shift + V通知にフォーカスを設定する
Win + Wウィジェットを開く★★★
Win + X[クイック リンク] メニューを開く★★★★
Win + YWindows Mixed Reality とデスクトップの間で入力を切り替える
Win + Zスナップ レイアウトを開く★★
Win + ピリオド(.)/セミコロン(;)絵文字パネルを開く
Win + コンマ(,)デスクトップを一時的にプレビューする
Win + Pause [バージョン情報] を開く
Win + Ctrl + FネットワークでPCを検索する★★
Win + 数字タスク バー上の数字に対応するアプリを起動/選択する★★★★
Win + Shift + 数字タスク バー上の数字に対応するアプリの新しいインスタンスを起動する★★★
Win + Ctrl + 数字タスク バー上の数字に対応するアプリの作業中のウィンドウに切り替える★★★
Win + Alt + 数字タスク バー上の数字に対応するアプリのジャンプ リストを開く★★
Win + Ctrl + Shift + 数字タスク バー上の数字に対応するアプリの新しいインスタンスを管理者として開く
Win + Tabタスク ビューを開く★★★
Win + ↑ウィンドウを最大化する★★★★★
Win + Shift + ↑画面の上半分にフォーカスがあるウィンドウをスナップする★★★
Win + ↓現在のアプリを画面から削除する、/デスクトップ ウィンドウを最小化する★★★★★
Win + Shift + ↓画面の下半分にフォーカスがあるウィンドウをスナップする★★★
Win + ←画面の左側にアプリ/デスクトップ ウィンドウを最大化する★★★★★
Win + →画面の右側にアプリ/デスクトップ ウィンドウを最大化する★★★★★
Win + Home作業中のデスクトップ ウィンドウを除くすべてのウィンドウを最小化/復元する★★★
Win + Shift + ←/→デスクトップ上のアプリ/ウィンドウを別のモニター ディスプレイに移動する★★★★
Win + Shift + Spaceキー言語とキーボードレイアウトを逆に切り替える
Win + Spaceキー入力言語とキーボード レイアウトを切り替える
Win + Ctrl + ←/→仮想デスクトップの切り替え★★★★
Win + Ctrl + F4仮想デスクトップを閉じる★★★
Win + Ctrl + Spaceキー以前に選択されていた入力値に変更する
Win + Ctrl + Enterナレーターをオンにする★★
Win + 正符号( + )拡大鏡を開き、拡大する★★★★★
Win + マイナス(-)拡大鏡で縮小する★★★★★
Win + Esc拡大鏡を閉じる★★★★★
Win + スラッシュ(/)IME の再変換を開始する★★★★
Win + Ctrl + Shift + BPC のブランク画面/ブラック スクリーンから復帰する★★★★★
Win + PrtScr全画面のスクリーンショットをファイルに保存する★★★★★
Win + Alt + PrtScrXbox Game barでフォーカスがあるゲーム ウィンドウのスクリーンショットを保存する★★★